TIME誌で知る世界の時事ニュース
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安倍氏の謎
【新しいリーダーへの疑問】

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新しいリーダーに期待と不安が集まるのは何処の国でもいつの時代でも同じだ。9月20日に誕生するであろう安倍自民党新総裁にも同じ視線が注がれている。

9月18日号のアジア版タイム誌の表紙には「安部晋三って誰?」("WHO IS SHINZO ABE?")というタイトルで同氏の顔がアップで掲載されている。支持者にとっては、次期首相と目されるこの人物は日本再生を実現してくれる強力なリーダーであるが、批判勢力にとっては危険な国家主義者なのだという。

To supportors, the man poised to become Japan's Prime Minister is a forceful leader for a revived nation. To critics, he's a dangerous nationalist.

本当の安倍氏はどっちなのだろうか?

【外国人記者の見た安部氏】

しかめ面の安倍首相

しかしながら、タイム誌の記者は安倍氏をどちらかというと「摩訶不思議な人物」として取り上げている。まさに彼らにとってはの人物("The Abe Enigma")なのである。

その経歴といえば大物保守政治家だった岸信介氏を祖父にもち、安部晋太郎氏を父にもつという華麗なものであるが、同時に北朝鮮への強硬姿勢や靖国参拝などに見られるように評論家の森田実氏曰く「日本で最も危険な政治家」とも言われているのだ。

※写真はしかめっ面の安倍氏。タイム誌はなかなか面白い写真を掲載する。

反面、横田めぐみさんが拉致された後、横田夫妻がその救出を訴えた政治家の中で唯一親身になって相談に乗ってくれた「熱い」政治家でもあるのだ。そこがたとえ作られたものにせよ、安倍氏の国民的人気の背景にある。

しかし、外国人記者の目は厳しい。この記事を読むと、記者らは様々な専門家の意見を引用しながらも、安倍氏は筋金入りの保守派("a born conservative")であるとともに、小泉ほどに自信家ではなく、したがって自民党をぶっ壊すと考え行動した小泉氏とは違い、自民党に縛られ政治的には不安定だと見ているのだ。

Abe seems more bound to his party; he is not the natural loner that Koizumi was. ------ "He's very uncertain politically," says Iio. "He is not as confident in himself as Koizumi was."

【美しい言葉には棘がある】

僕は個人的には安倍氏には好意的な感情を抱いていた。それはタイム誌が紹介しているように横田さん夫妻をはじめとする拉致被害者家族に対する誠実な対応があったからだった。
しかし、自民党総裁選に向けた政策発表や最近の言動を見ていて少し僕自身の見方は正直変わってきた。

それは改憲をその政策の最優先課題にするとか、集団自衛権の行使を真剣に検討するとか、自衛隊の海外派遣に恒久法が必要だとか、出てくる言葉が右傾化を示すものばかりだからだ。再チャレンジを可能にする社会などというのはそれに比べれば小さな話だ。

最もショックだったのは加藤議員の実家が右翼と見られる人物に放火された後、官房長官として、小泉首相と同じく右傾化する社会へのしっかりした歯止め、言論の自由に対する挑戦への明確な警告が安倍氏の口から直ぐに出なかったことだった。

安倍氏の「美しい国、日本」というのがますます怪しく聞こえてくる。総裁に正式に就任したあとでもいいからそのあたりをもっと明確に国民に説明してほしいと思うのは僕だけだろうか?

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