TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
中国の小行軍?郊外化の先にあるもの
【"Short March"って何?】

080225TIMECover

鍵を高らかに上げて未来を見つめる大勢の人々。そのタイトルには「China's Short March」(中国の小行軍)とある。2008年2月25日号タイム誌の表紙を飾ったイラストだ。一体、ショート・マーチとは何を意味するのだろうか?

興味をそそられて、早速そのカバーストーリーをめくってみると最初のページに中国の郊外らしき場所にある売り出し中の豪勢な邸宅の写真があった。

そう、小行軍(Short March)とは1934年10月に国民党の攻勢を逃れるため中国共産党がその本拠地江西省瑞金を離れ、1万2500キロもの大行軍を行った「長征」(Long March)をもじってタイトルにしたものなのだ。それでは一体現代中国の小行軍とはいったいなんだろうか?

【巨大な郊外化のうねり】

それは中国で急速にしかも大規模に進みつつある郊外化(suburbanization)のうねりのことなのだ。

China's Short March-----Millions are moving to newly built suburbs outside China's big cities. Their migration will change the nation ---and the world.

中国の郊外化

毎年10%以上の高度成長が10年以上にわたって続く中国経済。上海や北京だけでなく中国全土の主要都市では高層ビルが次々と建設され、猛烈な都市化が進行している。そんな急速な発展を遂げている100万以上の都市の数は米国の8つ(2000年現在)に対し、中国では48都市にもなるのだ。

繁栄を謳歌する都市に貧しい農村から3億?4億人もの人々が移動し、建設業だけで18百万人もの移動労働者が従事するのだ。

人が集まればマイナス面も増幅する。工場や車の排気ガスで大気は汚染され、環境破壊が進む都市を逃れて、中産階級の人々が郊外へ郊外へと移動していくのだ。多少の違いはあっても、第二次大戦後に大勢の帰還兵が帰国し、その後も経済発展による都市の荒廃を逃れて郊外へと人口が移動した米国や日本と同じような現象がものすごい規模で今中国で起こりつつあるのだ。

上海だけでも今後10年間に5百万人もの人々が郊外へ移住すると予測されている。そのインパクトは中国だけでなく、世界中に及んでいくだろう。

【小行軍の行く末】

都市と農民

一体、この中国の人々の郊外への小行軍(Short March)はこれからどこへ行くのだろうか?

裕福な中産階級は郊外の恵まれた環境へ移り住むことができるだろう。しかし、冷暖房を完備した住宅から、都市までのマイカー通勤など、今のままではアメリカ型のエネルギー大量消費社会が次々と中国各地に増殖していくことになるだろう。その一方で8億?9億もの貧しい農民との格差は広がるばかりだろう。

グローバリゼーションの恩恵を受け続けようとするならば、中国政府はこの流れを止めることは出来ないだろう。そして、今までエネルギーを浪費し続けてきた米国や日本をはじめとする先進諸国もこのような中国の発展形態を「悪」だと咎めることはできないのかもしれない。

中国の小行軍・・・これは崖に向かって一目散に突き進むネズミの大群を思い起こさせる。いや、中国だけではなく、人類全体に突きつけられたグローバリゼーションの負の側面への重い課題なのかもしれない。

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://luckymentai.blog63.fc2.com/tb.php/168-9a25ad12
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。