TIME誌で知る世界の時事ニュース
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中国優位?ー電気自動車戦争
【これからの車】

地球温暖化の影響を極力抑えるために有効な手立てとして、今ガソリン車に代わって電気自動車(EV)がいよいよ実用車として世界中で脚光を浴びつつあります。そんな中、自動車メーカーにとっては、この大不況の中での最後の切り札としてEVの開発・販売が至上命題となってきています。

中国車
8月31日号アジア版タイム誌「中国のパワープレイ」("China's Power Play")というタイトルで、EV市場での中国企業の野望が取り上げられています。

China' Power Play --- The market for electric cars is about to get bigger - and Beijing wants Chinese firms ready to cash in

【弱点が強みに】

日本では現在トヨタやホンダがハイブリッド車で先行していますが、いづれ車の主流はEV車になっていくというのが大方の見方ではないでしょうか。EV車といえば、日本車では三菱自動車の「i-MiEV」や日産の「リーフ」などがすでに参入していますし、米国車ではGMが「Volt」を発表しました。

Coda
しかし、タイム誌が注目しているのは、中国電気自動車です。昨年12月に中国で発売されたBYD社のハイブリッド車「F3DM」に続き、この6月には米中合弁でCodaというEV車がデビュー、来年にはカリフォルニア州で販売される予定です。価格は45000ドル(4.2百万円)、1回の充電で145-193キロを走ります。これだけでも欧米や日本のクルマにも引けをとらない性能と価格競争力を持っていると言えます。

では何故、中国がそれほどEV車を国を挙げて推進しようとしているのか。それは、先ずEV車は比較的新しい技術であり、技術や販売などあらゆるフィールドで長い歴史をもつ欧米や日本の自動車メーカーに比べると歴史の浅い中国の自動車メーカーが優位に立てる可能性があるからです。まさに電話インフラのなかった途上国で携帯電話が急速に普及したのと同じように、弱みが強みとなりえるからです。

また、不況で買い控えが広がっていて、しかもガソリン車の魅力を知り尽くしている欧米などの消費者に比べると、依然として景気もよく、自動車の売れ行きもいい中国の国内マーケットが控えていることも強みとなっています。さらには、EV車に積極的に取り組むことで、CO2排出削減を世界にアピールすることにもなります。

【解決すべき課題】

ただし、課題もあります。先ずは価格。45000ドルではまだまだ中国国内ではガソリン車の価格に対抗して消費者に買ってもらうには高いといわざるをえないでしょう。また、中国では自動車を取り巻くインフラはまだまだ発展途上であり、標準的な家庭でもEV車の充電が手軽に出来るとは限りません。

それでも、米国などと連携して自動車市場を戦い抜いてゆくには、最良の選択肢であることは間違いないでしょう。日本のメーカーもうかうかしてはいられないのではないでしょうか。

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迷走する米国の景気刺激策の効果
【空前の景気刺激策

景気刺激策
オバマ大統領が今年2月に議会を通した予算措置としては空前の規模である7870億ドル(日本円で約75兆円)の景気刺激策が全米で実行段階に入っていますが、どうもその効果についてアメリカ国民は最近疑念を抱き始めているようです。

7月13日号タイム誌「景気刺激策に何が起こっているのか?」("What Happened To the Stimulus?", Page 30-33, TIME dated on July 13, 2009)というタイトルで、この景気刺激策は魔法の弾丸ではないとして、ホワイトハウス内での議論やその原因についての記事が掲載されています。

The Administration's $787 billion booster shot is not the magic bullet some had expected. Inside the White House operation to fix that

【バイデンの監視チーム】

バイデン副大統領
米国民の疑念は各種世論調査に出ていて、そのうちひとつの調査では45%の有権者が景気刺激策は途中でやめるべきだと回答しています。

一体なぜこれほど信頼感を喪失しているのでしょうか?

最も大きな理由は、おそらく米国民の政府に対する根本的な不信感だろうと思います。すなわち、政府がかつて経験したことのないような巨額な予算を本当に有効に景気対策として実行できるかどうかと思っているわけです。日本でもそうですが、公共工事などの支出は実行段階では巨大な無駄と非効率を生み出します。失敗すれば倒産する民間とは根本的に違うのです。

バイデン副大統領はこの景気刺激策に対して責任を負っていて、政府内に8人の監視チームを置いて連邦政府や州政府、市町村などの予算要求、執行に目を光らせて、無駄や非効率と思われる予算要求は地方に取り下げるよう求めています。

Biden set up an in-house watchdog group, with a team that would grow to eight and a charge to keep the spending clean, quick and defensive.

また、州政府や市町村は、大きな予算を一度に要求できるし、簡単なので既存の橋や道路を補修するよりも新しい橋や道路を作ることを選択しがちですが、雇用の創出効果などから見ても既存の施設の改修・整備のほうが役に立つのです。

【馬鹿げたプロジェクトの数々】

正副大統領
地方の笑い話のようなプロジェクトがタイム誌の記事に紹介されています。例えば、フロリダではハイウェイを横切る亀のための横断道に340万ドルを支出するという予算が計上されたり、内務省の渡り鳥調査のための航空機購入に7百万ドル、数え切れないほどのミニゴルフやフリスビーゴルフといった娯楽施設の建築などです。(バイデンは「ゴルフ」という言葉の入った予算は認めないと指示しています)

民間と違って、役人は何の苦労もなく税金というポケットからお金を出して使います。自らの汗を流して得たマネーだという意識改革なしには、この「無駄を生み出す負のスパイラル」をなくすことは不可能でしょう。

果たして、バイデン副大統領と8人のチーム、そしてオバマ政権は「世論の直感」を真剣に受け止めて、効率的な予算の執行を監視・実行し、米国経済を軌道に乗せることが出来るでしょうか。アメリカの景気回復は日本経済にもリンクしているので、これからしっかり見ておくことが必要でしょう。

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