TIME誌で知る世界の時事ニュース
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グアンタナモの呪縛?オバマの戦い
【真っ向対立】

グアンタナモ収容所の閉鎖を巡って激しい議論が巻き起こっている。

グアンタナモ閉鎖を強調するオバマ大統領
キューバ・グアンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容所閉鎖の是非など米国の対テロ政策をめぐり、オバマ大統領とチェイニー前副大統領が21日、それぞれ演説して火花を散らした。オバマ大統領は、前政権の政策が米国の価値を傷つけ、結果的にテロリストを増殖させたと主張。一方、チェイニー氏は第二の同時テロを防いだと正当性を強調した。
 国立公文書館で演説したオバマ大統領は「最も大切な米国の価値観を守ることが、平時も戦時も、国の安全を守る上で最高の資産となる」と強調。収容所での処遇や中央情報局(CIA)による過酷な尋問が「法の支配を損ない、米国に対する世界の支持を失った」と指摘した。
 一方、直後にワシントン市内で講演したチェイニー氏は「当時、情報機関に合法的な権限を与え、テロを防ぐ有益な情報を得ることができた」と成果を訴えた。』(5月22日付時事通信)


【米国のメルトダウン?】

グアンタナモ
ブッシュ政権が世界から信頼を失い、米国の価値観のメルトダウンともいえる現象を招いた最大の「癌」のひとつがグアンタナモ収容所だ。

それはなんと、アメリカと国交がないキューバに、アメリカが1903年以来キューバから租借している米軍基地内にある。この収容所が注目されたのは2002年以来、イスラム過激派を収容し、人権を無視した過酷な拷問が行われていたことが発覚、世界中から非難を浴びたからだ。ではなぜ、テロ容疑者等をここに収容するのか?

それはキューバ国内でもアメリカ国内でもなく軍法のみが適用される治外法権区域であり、アメリカが自国の安全のために「犯罪者」と「捕虜」を都合よく使い分けられるからなのだ。

こんなバカな話はない。確かにテロ容疑者をここに「封じ込める」ことで短期的にはチェイニー氏が主張するように、アメリカの安全は確保されたかもしれない。しかし、ブッシュ時代に特に顕著になったこのアメリカのご都合主義がアメリカに対する不信感を増幅し、ひいてはアメリカの国民までもがアメリカの法の支配に対するモラルを喪失するという自国の価値観のメルトダウンを引き起こし、中長期的にはアメリカの安全を著しく脅かすことになるのは間違いないだろう。

だからこそ、オバマ大統領はこのグアンタナモ収容所の閉鎖を重要な公約のひとつとして掲げたのだ。

【理想と現実】

しかし、理想を実現していくのは難しい。オバマ大統領は、かつてない経済危機という難局を乗り越えるために様々な手立てを矢継ぎ早に打ってきて、多少の異論は飲み込みながら共和党・民主党の同意を得ながら議会を乗り切ってきたが、このグアンタナモ収容所閉鎖では議会の壁にぶつかっているのだ。

大局的には米国の価値観の回復に賛成する人たちも、目の前にあるグアンタナモ収容所のテロ容疑者たちを米国国内の刑務所に入れることには躊躇しているのだ。自分の身がかわいいから、臭いものにはフタをしたいのだ。よくわかる。

ここはオバマ大統領の正念場になるだろう。ぜひともグアンタナモを収容所だけでなく、軍事基地もろとも閉鎖してもらいたい。そこにオバマの理想があるのなら、そしてアメリカが再び世界の尊敬を集めたいと本気で思うのなら。

※最後にグアンタナモ収容所のことをアメリカでは略してGITMOと読んでいるのだが、この収容所のことはすでにタイム誌が2005年7月に採り上げていて、僕もこのことについてブログで書いた。興味のある方は、参考までにそのブログもご覧いただきたい。

《参考》

・「タイム誌の特ダネ?What's GITMO?」・・・2005年7月5日の僕のブログ記事


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100日目の評価?オバマ大統領
【百日の変化】

100日目のオバマ大統領
アメリカ大統領は就任後100日までに何が出来るかでその業績を評価されます。これは1933年に、大恐慌への対応としてすばやく「ニューディール政策」を発表したフランクリン・ルーズベルト大統領以来の慣例になっています。

もちろん、4月30日で就任100日目を迎えたオバマ大統領も例外ではありません。5月4日号タイム誌はカバーストーリーに「100日」("100 Days")と題してオバマ大統領の日常を捉えた写真とエッセイを掲載しています。

果たして、タイム誌のオバマ評は?

【ルーズベルト以来?】

100DaysJoe Klein記者によれば、オバマ大統領の現在までの評価は、正念場はこれからだとしながらも、フランクリン・ルーズベルト大統領以来最も印象深いと述べています。そう、メディアとしては異例なほど絶賛しているのです。

Obama's start has been the most impressive of any American President since F.D.R. The biggest tests are ahead of him.

一体、どういう実績をもってそう判断しているのでしょうか?

一言で言えば、オバマは、ブッシュの8年間だけでなく、レーガン以来失われたアメリカの信頼を回復すべく、猛烈なスピードで革命的な変革を実行していこうとしているということです。また、大多数のアメリカ国民も今のところそれを支持している。

具体的な事例を挙げると、先ずはこの3ヶ月で未曾有の金融経済危機を乗り越えるべく7890億ドルの景気刺激法案を始めとする15にものぼる法案を議会に通過させました。これだけでも過去の政権ではありえなかったことです。

また、就任前の公約どおり、グアンタナモ収容所の即時閉鎖や、イラクの撤退時期明示、キューバやアフガニスタンに対する政策などを次々と発表し、明確な「変化」を感じさせます。

【これからの挑戦】

執務室のオバマ大統領
日本から見ていても、その有言実行と政策のスピード、政権の信頼感などどれをとっても目覚しいものがあると感じるのは僕だけでしょうか。少なくとも日本の麻生政権とは雲泥の違いです。一旦、危機に直面すると強いアメリカの底力みたいなのものが感じられます。

しかし、オバマにとって難題はまだまだ山積しています。あまりにもドラスチックなやり方が、例えば金融業界や自動車業界などのエグゼクティブの反発を招かないか、今までは協力的だった議会もCO2排出削減のためのキャップ&トレードプログラム法案や医療保険制度の抜本的な見直し法案などに反旗を翻すのではないか、そして未だ着手していない中東和平を巡る対イスラエル政策で有効な手立てが打てるのかなどです。

これらの難問を考えると、この100日間は次々と難題を解決していったオバマ大統領ですが、まだまだゲームは始まったばかりと言えるかも知れません。みなさんはどう思われますか?

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