TIME誌で知る世界の時事ニュース
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地球温暖化と原子力発電
【原発よ、こんにちわ】

地球温暖化の脅威が連日メディアに報道されて、人々の関心が高まるにつれて世界中であれほど怖れられていた原子力発電がクリーンエネルギーのひとつとしてカムバックしつつあるのをご存知ですか?

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2月25日号のタイム誌に「チェルノブイリは忘れよう」("Forget Chernobyl")と題してインドからフィンランドまで原子力エネルギーが見直されているが、かつての恐怖はいまだに健在だとの記事が掲載されている。

NUCLEAR POWER Forget Chernobyl. From India to Finland, nuclear energy is making a comback. But old fears die hard.

【チェルノブイリの恐怖】

チェルノブイリ

チェルノブイリ原発事故が起きたのは忘れもしない1986年4月26日。あの日から長期間にわたって世界は見えない放射能の恐怖に包まれ、人々の環境に対する意識を大きく変えただけではなく、それ以後当時のソ連邦崩壊、東西冷戦の終結のきっかけを作ったとまで言われている。

さらに、この大事故は原発に対する欧州を中心とした一般市民の拒絶反応を引き起こし、ドイツやイギリスなどの新規原発建設の縮小や世界的な原発反対運動へとつながっていった。日本の原発推進政策も少なからず影響を受けた。

しかし、あれから22年近くが経ち、あの大事故の記憶も薄れ、さらには石油をはじめとする近年のエネルギー価格の高騰が原発見直しの世界的な機運をもたらしているのだ。さらに地球温暖化の危機的なまでの進展が大事故のリスクを抱えながらも少なくとも石炭やエネルギーよりはCO2排出が少ないという理由で原発の見直し機運をいやがうえにも高めているのだ。

【ダモクレスの剣】

ダモクレスの剣

しかし、本当に原発は地球温暖化の防止に役立つのだろうか?厳密に言えば「否」である。なぜか? それは原発自体の発電効率の悪さ、発電所そのものはCO2を排出しなくとも原発を稼動するためのプロセス全体(ウラン採掘、燃料輸送、原発建設、廃棄物処理等々)では膨大な石油を消費せざるを得ないという点にある。

さらには、途上国など世界中に原発建設ラッシュが起きており、今後原発が世界中に拡散することになれば予期せぬ大事故の可能性は高まってくるという問題もある。

しかし、原発の負の側面を知りつつも、今後数十年で後戻りできないほどの緊急性を求められている地球温暖化防止に少しでも役立つのであれば、原発もCO2排出を抑制するために導入せざるを得ないというのが現在の世界の趨勢になりつつある。さらには、日米原子力メーカーと欧州メーカーの熾烈な受注競争もそういう趨勢にドライブをかけつつあるのだ。

僕自身も気候変動や地球温暖化の急激かつ深刻な進展を目にするとき、大事故のリスクを知りつつもこれからは原発も活用せざるを得ないのではないかと考えてしまう。はたして、あなたはこの問題どう対処すべきだと考えますか?まさに僕らは日々の安寧の中で知らず知らずのうちに地球からダモクレスの剣を突きつけられているのではないだろうか。

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タックス・ヘイブンを巡るロンドンと金持ちの選択?その2
【タイム誌への投稿】

2月18日号のタイム誌の記事"Take the Money and Run"について2月20日に投稿しましたので公開します。

ロンドンの金持ちとタックスヘイブン

The decision of the British Treasury to get tough on tax breaks is not crazy, but smart and balanced. Because they are sure that money and foreigners are not the only resources to bring prosperity and development to London as well as England where a mix of dignified tradition and forward-looking openness to the rest of the world with advanced democracy has been fascinating big cash and celebrity from the parvenu Russia, the Gulf states and Asia recently. So they balanced the people of England with those from abroad, reacting to the criticism on tax breaks for foreigners from inside the country.

In fact, the other major tax havens as Switzerland, Isle of Man, Luxembourg, Singapore and Hong Kong have been attracting more overseas big money than London with the direct tax break incentives such as the secrecy of privacy in Switzerland rather than with the various charms of the country by itself.


【拙訳】

英国財務省による税制優遇措置の厳格化の決定は、気が狂ったというよりバランスの取れた賢い選択だ。なぜなら、マネーと外国人だけが英国そしてロンドンに繁栄と発展をもたらす唯一のリソースではないことを英国自身が確信しているからだ。英国は進んだ民主主義と併せて威厳のある伝統と世界に対して先を見据えた開放性を持ち合わせており、それによって成金ロシアや湾岸諸国やアジアの巨額のキャッシュや富豪たちを引きつけているのだ。だから彼らは外国人への税制優遇に対する国内からの批判に応えて、自国民と外国人の間のバランスを取ったのだ。

実際、スイス、マン島、ルクセンブルク、シンガポール、香港といった他の主要タックスヘイブンは自国が持つ様々な魅力というよりもスイスの秘密主義などといった直接的な税制優遇のインセンティブによってロンドンよりも海外から巨額のマネーを引きつけてきているのだ。


【追記】

2月23日にタイム誌から「採用するかもよ」という例のメールが届きました。それにしても昨年は一度も取り上げてもらえず。よ?し、今年はがんばるぞ!

Dear Reader:

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. If your comments are selected for the Inbox column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.

TIME Letters


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タックス・ヘイブンを巡るロンドンと金持ちの選択
【世界のタックス・ヘイブン

皆さん、タックス・ヘイブンってご存知ですか?それは日本語では「租税回避地」と言い、税金が軽減もしくは免除される国や地域のことです。世界中の金持ちは自分たちのマネーに課税されるのを出来るだけ避けるためにオフショア・タックス・ヘイブンにマネーを移動し、時には自分たち自身も動き回るのです。

例えば、それらタックス・ヘイブンとは、スイス、ケイマン諸島、ジャージィ島(英) 、バハマ諸島などなどですが、租税回避地として最近特に世界の金持ちに非常に好まれている場所があります。どこだかご存知ですか?

そう、イギリス、特にロンドンです。

ロンドンの金持ち外国人の怖れ】

ロンドンの金持ちとタックスヘイブン

2月18日号タイム誌で、「マネーを持って走れ」("Take the Money and Run")というタイトルで税制改正に怯えてイギリスに住む金持ち外人が他のオフショア・ヘイブンを求めて脱出を考えているという記事が目に留まりました。

Take the Money and Run. Spooked by a proposed tax change, Britain's foreign rich consider leaving for other offshore havens

彼らはnondomicileあるいはnondom(非居住者)と呼ばれ、英国に住む市民が最高40%の税金が課せられるのに対し、所得税以外は無税という恩恵に預かっているのです。これは外国人にとっては単なる避難地(haven)どころか、天国(heaven)と言えるでしょう。だからこそ、大勢の金持ち外国人がロシア、中近東、アジアなどからロンドンに集まってきているのです。

しかし、外国人への税優遇に対する批判の高まりから英国財務省は新たに18%の税率でのキャピタル・ゲイン・タックス、さらに7年以上英国に居住する外国人に対し年6万ドルの手数料を徴収すべく準備を進めているのです(おそらく2月末までには実施?)。

こんな措置が実施されればかなりの金持ち非居住者外国人は英国から脱出すると予想されます。財務省はその数を全体の115000人のうち、3000人程度と見積もっていますが、マーケット関係者はもっと多いと見ており、そうなれば何十億というマネーが流出して経済にも重大なインパクトありと言うのです。

Britain's wealth managers are more pessimistic, predicting that nondoms will leave in droves, taking billions out of the economy and affecting everything from property prices to spending on luxury goods.

【マネーを取るか、公平を取るか】

ドバイ

世界の金持ちのオフショア資産は凡そ7兆ドル(日本円で約740兆円)。そのうち、スイスに27%、マン島・ダブリン等に14%、ルクセンブルクに13%、カリビアン諸島に13%、シンガポール・香港にそれぞれ5%と4%が集まっているのです(ボストン・コンサルティング・グループによる推計)

この資金を如何に多く集めるかを巡ってタックス・ヘブン同士の熾烈なマネー誘致合戦が繰り広げられており、中でも個人の機密保持を売り物にするスイスや新興勢力のドバイ、シンガポールなどが様々な金持ち優遇措置を競っているのです。

そんな中で何故イギリスは、いったん集まった金持ちに対する課税を強化してみすみすチャンスを逃そうとしているのでしょうか。公平を期すための勇気ある措置なのか、それとも気が狂ったのか・・・・

With so many countries doing all they can to lure the rich, Britain's decision to get tough on tax breaks seems either brave or crazy.

グローバリゼーションがもたらす巨額のマネー争奪戦。モラルを取るか、マネーを取るか、英国の選択にしばし注目しましょう。

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