TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
女性のヘディングは危険?
【ヘディングは危険!】

サッカーではヘディングは日常茶飯事です。特にゴールキーパーとの激しいやり取りの中では、ヘディング・シュートが最後の決め手になることがよくありますよね。

ヘディング

そんなヘディングが危険?・・・・いや、誰でもということではなく男性よりも女性にリスクがあるというレポートが12月10日号のタイム誌のスポーツ欄に「ヘッド・ゲーム」("Head Games")というタイトルで掲載されています。なぜ、女性にはリスクがあるのでしょうか?

Head Games ----Girls are getting more concussions than boys are. Why they are at risk

【脳しんとうを起こすリスク】

全日本女子チーム

タイム誌によれば、女性は男性よりも頭を使ったゲームで脳しんとうや頭痛、めまいなどを起こす確率が格段に高いというのです。

そのひとつの証拠としてアスレチック・トレーニング・ジャーナル(Journal of Athletic Training)の調査で、米国の女学生のサッカー選手は男子のプレイヤーよりも40%以上脳しんとうを患っているという報告が紹介されています。具体的には、2005年〜2006年の男女学生のサッカー選手の脳しんとう例は男子が約2万人に対して、女子は2万9千人にのぼるのだそうです。

これは由々しき問題ですね。サッカーだけでなく、バスケット・ソフトボール・ホッケーなど他の競技でも同様の傾向が見られるとのこと。

【男女の身体特性の違い?】

それほど男女で違いがあるのは何故なんでしょうか?
ひとつは首の強さ。男性の首周りは女性より凡そ20%近く大きく、それだけ頑丈に出来ているそうです。一説には男性の首は、女性よりも50%以上強く出来ているとも言われています。

もうひとつは女性は衝撃を受けると、男性よりもひざまずいてバランスを崩すことが多いことも脳しんとうの遠因となっているようです。

今のところ、女子選手がこういった脳しんとうなどのリスクを減らすにはヘッドギアをしたり、首を鍛えたりするしかないのですが、もっと根本的には男女の身体特性をもう一度認識し直して、男子に合ったスポーツ、女子に合ったスポーツをそれぞれ推奨していくという基本に戻ることも必要ではないでしょうか。

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ニセコに注目−新しい国際的リゾート誕生!
【ベスト・オブ・アジア2007】

060522TIMECover

毎年のタイム誌の楽しみのひとつ、アジア特集「ベスト・オブ・アジア」("Best of Asia")。今年はどこに焦点を当てているんだろうとひとつひとつ眺めて楽しんでいます。昨年と同様、特集は魂(Soul)と心(Mind)と身体(Body)と三つに分けてアジアの最も行きたい場所を掲載しています。今回も結構日本の紹介が多いのに気を良くしました。

今回は"Best for the Body"の中からニセコにスキーに行こう」("Go Skiing, Niseko, Japan")をご紹介します。

【地球温暖化を忘れさせてくれる場所】

ニセコ・スキーリゾート

この記事の副題には「地球温暖化を忘れる最良の方法」("Best Way to Avoid Thinking About Global Warming")とあります。昨年末から今年にかけて雪らしい雪が降らなかった日本。世界各地でも例年以上に地球温暖化を実感させるような異常気象が見られました。

そんな中で、世界的スキーリゾート・アスペン(Aspen)の10分の1程度の規模ではありますが、例年15メートル近い雪をいただく北海道ニセコは国内にとどまらず世界のスキーヤーに注目を集め始めています。聞く所によるとニセコの雪質はスキーヤーにとっては最高だそうです。

その証拠に2001年から2005年のたった5年間で外国人スキーヤーは30倍にも増えたのです。その大半はオーストラリア人ですが。

That's only about a tenth of the size of Aspen, but Niseko averages more than 15 m of snow a year, a fact that has helped increase the number of foreign guests by more than 30 times between 2001 and 2005.

【世界的リゾート地に】

地元も専門家もニセコはいづれアスペンに劣らないほどの世界的リゾート地になると見ています。来年は洞爺湖でのサミットも決まったのでニセコへの注目度も高まるでしょうね。

最悪の地球温暖化のシナリオでもニセコにはスキーに十分な雪は降り続けるでしょう。そんな最悪の日が来ないことを祈りますが、もし来たとしてもそのときはウォータースキーでも楽しみますか?

Niseko should stay frosty, unless the worst-case global-warming forecasts come true. And if that day comes? Try waterskiing.

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≪参考≫

・「好調なインド景気−意外な場所で発見! 」(2006年5月25日付のベスト・オプ・アジアのブログ記事)

テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

プラス思考と既得権益−日米野球考
【松坂渡米の衝撃】

松坂投手

からに変わった松坂投手のユニフォーム。それだけではない。米国ではDice-K(ダイス・ケー、アメリカでの松坂のニックネーム)と呼ばれている松坂が所沢からボストンに本拠を移して以来、日本球界と米大リーグの格差問題は日に日に大きくなっているようだ。一体、何が両球界の明暗を分けているのだろうか?

【大物選手の日本離れと問題山積の日本球界】

4月2日号タイム誌のコラム「東京からの葉書」(Postcard:Tokyo)で、ブライアン・ウォルシュ記者は「スーパースターよ、サヨナラ」と題して松坂に見切りをつけられた落日の日本プロ野球界の抱える問題に言及している。

The defection of a Boston-bound pitcher is just the latest challenge facing the moribound japanese pro baseball league. Saying sayonara to a superstar

松坂だけでなく、イチロー、城島、松井をはじめとする日本のスター選手は続々とアメリカに渡っている。スポーツ紙にも連日大リーグでの日本選手の活躍が踊っている。

ウォルシュ記者が書いているように、かつて人気を誇った巨人は低視聴率に悩み、大輔を送り出した西武は51百万ドルの松坂移籍金で赤字を埋め合わせ、一息ついたと思ったら、ドラフト制度の抜け道を狙ってアマチュア選手を金で繋ぎ止める裏金問題の発覚だ。これなど単に西武球団にとどまらず日本のプロ野球界全体に大きなダメージとなるだろう。

The Lions could be facing harsh penalties, like losing their spot in the draft for a year or more, but the greater damage is to the club's reputation and that of Japanese baseball.

もっと構造的には、外国人選手の制限や外資の参入制限など保護主義の殻に閉じこもり、自ら市場を狭める一部オーナー達の古い体質が背後にある。

【活況を呈する米大リーグ

では、何故米大リーグはそれほど日本の大物選手を惹きつけるのか?選手にとってはやはり野球の殿堂としての大リーグの魅力とビックマネーだ。

それに加えて米大リーグの世界戦略だろう。4月1日の日経新聞一面に「米スポーツビジネス−アジア開拓 急ピッチ」と題して、日本や中国、台湾などアジア戦略を強化し、一気にマーケット拡大を目指すしたたかな米大リーグの強気の背景を探っている。

記事によると、その攻勢を支えるのは興行の成功。昨季の観客動員数約7600万人と過去最高を三年連続更新。さらに球界の全体収入は52億ドル(約6千億円)に達したという。

さらに、野球を面白くするために富裕な球団から貧しい球団への収入再配分制を取り入れ、過去7年間に7球団がワールドシリーズ王者になったという。こういう大リーグとしての企業努力が市場拡大に結びついているのだ。

このまま行けば日本野球はアメリカ大リーグの二軍、三軍、いやアジアの中国や台湾などの新興組にも負けてしまう日が早晩来るのではないか?そう思ってしまう。

1871年に日本に野球が伝えられて以来137年近い年月を経て、少年野球や高校野球、社会人野球からプロ野球まで全国津々浦々まで「日本の野球」は国民的スポーツとして完全に定着している。こんな素晴らしいスポーツに磨きをかけ、日本選手が米大リーグに修行に行っても、また戻って来たいと思えるものに是非してほしいものだ。みなさんはどう思われますか?

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テーマ:プロ野球 - ジャンル:スポーツ

大リーグの日本バブル、次は井川!
ヤンキース、井川に注目】

松坂の次は井川に30億円! 驚きの金額! 日本がアメリカの不動産を買いあさっていたバブルのころを彷彿とさせる出来事が野球界で攻守を変えて進んでいます。

井川選手

プロ野球・阪神は29日午前、ポスティングシステム(入札制度)を使った米大リーグ移籍を目指している井川慶投手(27)を、ニューヨーク・ヤンキースが落札したと発表した。落札額は2600万194ドル(約30億円)。日本人の入札金としては松坂大輔投手(西武)の約5100万ドル(約60億円)に次いで史上2番目の額となった。
 井川投手との30日間の独占交渉権を獲得したヤンキースは、松井秀喜外野手が所属する名門チーム。契約が成立した場合、落札額が移籍金として阪神に支払われる。阪神は28日、落札球団名に先立って米コミッショナー事務局から連絡があった最高落札額を受諾。井川投手は29日午前、大阪市内のホテルで会見し「(ヤンキースは)伝統があり、メディアにも注目されている。(阪神)タイガースと同じ。スターター(先発)として働きたい」と笑顔で話した。(11月29日付毎日新聞)


それにしても米大リーグ、本当に大丈夫なの?

【不発に終わった輸入品】

そんな懸念を11月27日号タイム誌「ストライクアウトになった輸入選手」("IMPORTS WHO STRIKE OUT")と題して皮肉っています。

シアトルのイチローやニューヨークヤンキースの松井秀喜は期待通りスター選手になっているけれど、その他は結構ストライクアウトになってるけど大リーグのみなさん大丈夫?ーというのがその記事。

So buyer beware: while a few highly paid Japanese imports, like Seattle's Ichiro Suzuki and Hideki Matsui of the New York Yankees, became All-Stars, others have memorably struck out.

伊良部選手

例えば、新庄大リーグにいた3年間、ヒットの数よりそのヘアースタイルや派手な腕輪などアイドル性でファンを集めただけだし、97年にやってきた伊良部は期待はずれの「太ったヒキガエル」("fat toad")と揶揄されたし、ニューヨークメッツだった松井和は初日のホームランだけ目立っただけに終わっているのだ。

まあ、選手は人間だから全く違った環境で日本と同じ活躍をするとは限りません。一種の賭けだと思ってあきらめてもらうしかないですね。

それよりも何十億円ものマネーをポイと出せる米大リーグよりも、スター選手を次々と買い漁られる日本の野球界の方が問題なのはいうまでもありませんが・・・

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涙のワールドカップ−アジアが弱い訳
【ファイナル近いワールドカップ】

いよいよ熱狂のうちにドイツ・ワールドカップも10日に最終決戦のときを迎える。残ったのは、フランスとイタリア。開催国ドイツも勢いのあったポルトガルも準決勝で涙を呑んだ。でも、もっと早い段階でアジア勢はみんな涙に沈んだ。優勝候補のブラジルが姿を消すなど番狂わせはあったけど圧倒的に欧州勢の独壇場だ。

前回2002年の日韓共催のワールドカップでは「アジアの未来は明るい」と言われていたのに、一体アジアはどうしてこれほど悪い成績で終わったのだろう?
7月10日号のタイム誌のワールドカップ特集に「涙のゲーム」("THE CRYING GAME")と題してアジア勢がサッカーのスーパーパワーに成長するにはまだ時間がかかる理由を分析している。

THE CRYING GAME - After dazzling in 2002, Asia suffers a cruel reminder that it takes time to forge a soccer superpower.

【中田の涙とアジアの現実】

涙する中田選手

今回のアジア勢の現実を象徴するものとして、タイム誌はグラウンドで悔し涙を流す世界的プレイヤー中田の写真を載せている。彼に引退を決意させたものに世界レベルとアジアの差、世界と自分の属する日本のギャップが間違いなくあるのだろう。

日本だけでなく、韓国もオーストラリアも自分達のチームはもっといい成績が残せると期待していたはずだ。しかし、そうはならなかった。欧州諸国や南米との違いはいったいどこにあるのか?ジーコ監督は日本代表は背丈など身体的条件に劣っていると嘆いていたが、あのペレだって172センチしかないのだ。だから、背丈といった問題ではないのではないか。

Last week Japan's World Cup coach Zico claimed his team's smaller physiques were limiting when they "play a team which has a height advantage." But Pele is only 1.72 -m tall.

タイム誌の分析によると、今回のアジアの敗因は、AFCのビン・ハマム代表の言葉を借りて、クラブで競い合う環境があまりにも貧弱であることだと喝破していた。

例えば、韓国のKリーグ。ヒュンダイやサムソンといった大財閥がチームを所有し、ファンや地域のスポーツ育成、ワールドカップよりも企業優先の文化。例えば、中国。ここはさらにひどくてサッカー博打といった腐敗が蔓延し、スポーツ文化どころじゃない。Jリーグが570万人もの観客を動員し小さな市町村にもサッカーが根付きつつあり、アジアの中では最も健全と言われている日本でさえ欠けているものがある。

それは、「遊び心」だ。日本の子供たちは習うことには熱心だがサッカーを遊ぶまでには至っていない。それがタイム誌の見方だった。これには納得。

"They are good at learning, says Japanese Soccer commentator Michel MIyazawa. "But if I ask my son to play with a ball, he seems surprised and says "Really? Here? Now?"

【遊び心が日本サッカーを救う】

もちろん、欧米やブラジルと比べての話ではあるがブラジルとの試合を見ていて強く印象に残ったのは、勝っていたとはいえ、はやり真剣勝負の間でもロナウジーニョやロナウドにはボールと遊び、笑顔を絶やさないある種の余裕があったことだ。
これは一朝一夕では出来ない。はやり、少年のころからサッカーを楽しみ、大人も子供も地域もクラブもある種の遊びが文化として育まれないことには出来ない。日本の高校野球などとは違うサッカーの文化みたいなものがあると強く印象付けられた。

「今後、プロの選手としてピッチに立つことはないけれどサッカーをやめることは絶対にないだろう。」と言った中田。彼にはそこまで見えていたのだろうか。きっと見えていた。だからこその涙だったと信じたい。

※中田選手のホームページはここをクリック!

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イメチェン図るドイツ
【タイム誌に投稿】

6月12日号のタイム誌記事 「ドイツの新しいサッカー場」("Germany's New Pitch") について、投稿しましたので公開します。

Germany’s New Pitch Page 31  TIME, June 12, 2006

As your article pointed out, the World Cup is one of the best chances for Germany to transmit their national image from being rigid and punctual to being fun and friendly since they still have the trauma of Nazism in World War II.

Whether their intentions can convince the world of a new Germany depends not on the well-organized and diplomatic smiles but on each German’s personality and hospitality on every pitch during the exciting games.

≪拙訳≫

ドイツの新しいサッカー場  2006年6月12日 タイム

貴記事が指摘するとおり、第二次世界大戦のナチのトラウマに悩むドイツにとってワールドカップはお固く、時間にうるさいという自国のイメージを楽しくフレンドリーというイメージに変えるまたとないチャンスです。

ドイツが新しくなったと世界に知らしめるには、ゲームの期間中、一糸乱れず、作り笑いを浮かべるのではなくて、ドイツ人一人一人がそれぞれの競技場で個性ともてなしの心を示すことです。


【追記】

投稿の翌日、タイム誌から「採用するかもよ」という例のメールが届きました。6月26日号で採用してもらったので、しばらくは難しいかなあ〜

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. Should your comments be selected for the column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.


TIME Letters


≪参考≫

「サッカーが世界のスポーツになった訳」・・・6月14日付の僕のブログ記事
サッカーが世界のスポーツになった訳
【サッカーとフットボール】

昨日はテレビの前で茫然自失となったW杯日本対オーストラリア予選。日本に限らず世界中が今ドイツのフットボールに注目している。えっ、フットボール?いや、サッカーでしょ。

イギリスのフットボール

そう、サッカーはイギリスで誕生したためイギリスではもちろん世界的にも英語ではフットボール(football)と呼ぶのが一般的だ。フリー百科事典のウィキペディアによると、サッカー(Soccer)と言う名称は、アソシエーション(協会式)フットボールAssociation Footballが転化した言い方で他のフットボールと区別する必要が生じた際に用いられる傾向が強いとのこと。例えばアメリカではアメリカンフットボールと区別するため、サッカーと呼ばれる。一方日本では、フットボールとは、サッカー以外に、アメリカンフットボール、ラグビーを含めた広義で解釈される傾向が強いため、一般的には用いられないとのこと。なるほどと納得した。 (写真はフットボールを楽しむ英国のプライベートスクールの生徒達)

ところで、どうしてフットボールはここまで世界中で親しまれるスポーツに成長したのだろう? 6月12日号のタイム誌「世界的ゲーム」("THE GLOBAL GAME")と題して、かつてはヨーロッパの労働者階級のスポーツにすぎなかったこのスポーツが、なぜ地球上の5人に1人、トータル10億人以上が熱狂するほどグローバルになったかを分析している。

【簡単、熱いファン層、TVの力】

サッカーはそのシンプルさ故にどこでも楽しめる、そしてルールもわかりやすく複雑な設備も必要ない・・・こういう性質が世界的スポーツになった大きな理由のようだ。

The game's very simplicity means that it can be enjoyed anywhere. The rules are easy to understand, and no complicated equipment is required.

もうひとつの理由は、おらがチームを熱く応援したくなる一体感。最初は地元チーム、そして国の代表チームへとつながっていくのだ。

But second, and just as importantly, football very early became a mass-spectator product, one whose fans had a fervent identification with their chosen teams. Fandom was originally - and most of the time remains - something reserved for local clubs. But as international competition grew, it quickly became associated with national teams, too.

自国のチームが勝てば戦争などしなくても愛国心の高揚につながる。宗教も人種も国境も超えて世界をつなぐサッカーの持つ魔力。

忘れてはならないのは、最近のサッカーファンの世界的増加にはテレビの普及も一役買っていることだ。本場欧州、南米以外でも、卓球の中国、クリケットのインドにまで広がっているのだ。

TV has been crucial in expanding the appeal of football outside the heartland of Europe and Latin America.

【負の側面を乗り越えて】

もちろん、いいことばかりではない。サッカーを巡る行き過ぎた博打、スキャンダル。英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインといった強力な西欧リーグによる力にまかせた世界中からの有力選手引き抜き。度が過ぎるとアフリカの子供たちの人身売買にまで発展しているのだ。しかし、サッカーが世界的スポーツとして今後も発展していくためにはこういった負の側面を乗り越えていくことこそがサッカー関係者に課された責務だろう。

虹を掴む

翻って日本。1993年のJリーグ誕生前はそれほど人気もなく、企業名をチームの名前に冠したアマチュアサッカーは、川淵キャプテンの強力なリーダーシップとドイツのような「地域に根ざしたスポーツクラブ」を日本にも創ろうという高い理想によってJリーグというプロスポーツに生まれ変わり、ワールドカップで強豪と渡り合えるほど実力をつけた。(Jリーグ誕生秘話は6月に上梓された日本サッカー協会キャプテン川淵三郎著「虹を掴む」に詳しい。この本、素晴らしい本です。)未だよちよち歩きの日本サッカーだが、ワールドカップでの優勝や国内の「体育」教育からの脱皮に加えて、日本の武士道精神をサッカーにも取り入れて世界のサッカーが抱える負の側面の解決にも力になれるような存在になってほしいと願う。

オーストラリアに負けたニッポンの選手達。一時の勝ち負けだけが日本の存在意義ではありません、正々堂々と日本精神を世界に見せてください。

W杯開幕−イメチェン図るドイツ
【いよいよ開幕、ドイツW杯】

サッカーファンが待ちに待ったドイツW杯が9日始まりました。

ドイツW杯開幕式

 サッカーの第18回ワールドカップ(W杯)ドイツ大会が9日、ミュンヘンW杯スタジアムで開幕した。1974年西ドイツ大会以来のドイツでの開催で、東西統一後は初の国家的イベントとなる。
 7月9日(日本時間10日未明)のベルリンでの決勝まで64試合が行われ、開催国ドイツと各大陸予選を勝ち抜いた国・地域の計32チームが世界の頂点を目指す。(6月10日付読売新聞)


開幕にふさわしい晴天となったミュンヘンのスタジアムは6万6千人の観衆で埋まり、1ヶ月におよぶ一大イベントのスタートに酔いしれていました。そして、ドイツ市民の期待に応えて、1次リーグA組の地元ドイツチームが4−2でコスタリカを破りました。そのドイツ、このW杯を自国のイメチェンに活用しようと張り切っているそうです。

【堅物ドイツから楽しいドイツに】

6月12日号のタイム誌にワールドカップ特集記事で「ドイツの新しい競技場」("Germany's New Pitch")と題して、サッカーの勝ち負けより世界的スポーツ大会であるワールドカップをドイツの新しいイメージ作りに活用しようとする思惑を紹介しています。

2006FIFA World Cup

ドイツのイメージチェンジ?そう、最悪はヒトラー、いいものでも「ドイツ人は時間に厳格でビジネスライク」といった堅物のイメージが定着しています。

例えば、ファイナルゲームが行われるベルリンのスタジアムは規模と言いアクセスのよさといい文句ない施設ですが、問題はアドルフ・ヒトラーが1936年のオリンピック開催に備えて国威発揚のために建てた世界中が思い出したくない施設なのです。

It had been built on a grand scale, with 76,005 seats, and was close to the center of Berlin. The only problem was its history; the stadium had been constructed by Adolf Hitler for the 1936 Olympic Games.

今回ドイツは、そんな敢えて思い出したくない歴史さえも呑み込んで、ドイツに対するステレオタイプのイメージをぶち壊し、新しいドイツをアピールしようと試みているそうです。曰く、ドイツのリブランディング(ブランド再構築)!

"We are doing a kind of national rebranding." "The Cup is a unique opportunity,"Merkel said recently, "for Germany to present herself as a hospitable, joyful and modern nation, bursting with ideas".

「ホスピタリティに溢れ、楽しくモダンな国−ドイツ」とでも言いましょうか。

【頑張れ、ドイツ】

そういえばドイツからの中継に出てくるドイツ市民の表情は総じて笑顔で明るく、ホスピタリティいっぱいという印象が強いですね。きっとドイツ国民がみんなワールドカップそのものを楽しんでいることに加えて、国を挙げてドイツのイメチェンを図ろうと意識しているからだと思います。

僕もどちらかというとステレオタイプのドイツのイメージが強かったのであまり好きになれませんでした。でも昨年の夏、フランクフルト、ローテンブルク、ハイデルベルグ、ミュンヘンと回ってみて重厚な歴史と近代的な側面が見事に調和し意外に素晴らしい国だなあと思いましたが、ワールドカップ後にさらに「ホスピタリティに溢れ、楽しくモダンな国−ドイツ」のイメージが定着すればまた行きたくなるのではないかと思います。 頑張れ、ドイツ!

《参考》

2006FIFA ワールドカップ公式ページ