TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
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ウェブによる市民革命―次はどこ?
【厳戒中国】

中東の市民革命の波が中国を襲うのかと注目されたが、最初の波は当局に掻き消されたようだ。

110311市民革命
『中東で広がる民衆抗議行動に刺激を受け、インターネット上で20日に開催が呼びかけられていた中国13都市での集会やデモは、公安当局の厳重な警戒で不発に終わった。

 ただ、香港の人権団体・中国人権民主化運動ニュースセンターは、19日から20日にかけ、活動家ら1000人以上が中国各地で当局に連行されたり外出制限を受けたりした、と伝えた。

 北京では20日、集会場所に指定された繁華街に外国メディアが多数詰めかけ、参加者を待ち構えた。しかし、白色の花束を持って現れた男性2人が警官に連行された以外、参加者らしい人は現れなかった。

 上海では、繁華街に学生ら約50人が集まったが、警官が排除し、若者3人を連行した。現場にいた外資系企業勤務の男性(30)は、「(共産党の)一党独裁を終結させ、言論の自由を実現させたい」と話していた。広東省広州や遼寧省瀋陽などの都市でも、厳重な警戒態勢が敷かれた。』(2月20日付読売新聞)


【ウェブ革命の波及先】

110311SinaWeibo
中東ではチュニジア、エジプトの独裁政権が市民の怒りの前に倒れた後、リビア、バーレーンとまだまだ収まる気配は見えない。日曜日のNHKスペシャル「ネットが革命を起こした?アラブ・若者たちの攻防?」でも取り上げられていたが、アラブの革命の手段はFacebook等のソーシャル・ネットワーク、YouTube等の動画サイト、そしてマイクロブログと呼ばれるTwitterなどのインターネットメディアだった。

そして今、中東以外の地域で注目されているのが「中国」だ。2月21日付のタイム誌の記事 「つながる」("Wired Up" by Austin Ramzy, TIME issued on Feb.21, 2011)に中国におけるソーシャル・メディアの動きが取り上げられている。

Wired Up ----The rapid rise of social media and microblogs has changed the Internet equation between the Chinese state and the people

【独自の発達と検閲】

中国国内ではグーグルによる検索もTwitterによる「つぶやき」も、Facebookによる情報共有も中国政府による検閲によって完全に自由に使うことは出来ない。例えば中国在住の人たちをFacebookの友達に誘おうとしても一部ではブロックされているのだ。この中国の情報統制は「中国の巨大なファイアフォール」("the Great Firewall of China")と呼ばれている。

しかしながら、中国の人たちはしたたかさも持ち合わせている。今回の集会やデモの呼びかけもその一例であるが、中国国内ではTwitterに代わるマイクロブログとしてSina Weiboというツールが人々の間で急速に広まりつつある。 Sino Weiboでは検閲が行われているものの、それなりのネットワーキングが可能なのだ。その影響力は、発足後14カ月あまりで50百万人のユーザーを獲得、2011年初めには70百万人に達したと見られており、日増しに強まっている。何しろ中国には457百万人ものインターネットユーザーがいて、まだ拡大しつつあるのだから世界への影響力という意味でも無視できないのだ。

エジプトやチュニジアほどではないにしても中国も一党独裁国家のひとつであるし、若者の失業など経済の拡大に伴い広がる格差に対する不満も抱えているため、いつこういったソーシャル・メディアやマイクロブログを使った民衆のネットワークが新たな「革命」につながるか予断を許さない。今後も中国当局と民衆のネット上での攻防からは目が離せない。
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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

アフガン女性の勇気―タイム誌カバーの意味
【ショッキングな写真】

100809TIMECover
僕は今までタイム誌のカバー写真でこれほどショッキングなものを見たことはありません。それは、もし「その傷」がなければ見る人を困惑させるどころか、その美しい顔に見惚れるような女性の写真です。

しかし、彼女は誰かによって耳と鼻を削がれ、その惨状を訴えるために敢えてタイム誌のカバーとなることを決断したのです一体、誰が、そしてなぜ?しかも彼女は大丈夫なのでしょうか。そのストーリーは8月9日付アジア版タイム誌の記事「アフガンの女性と戻ってきたタリバン」("Afghan Women and the Return of The Taliban" by Arvy Baker, p.14-22, TIME magazine issued on August 9, 2010)に掲載されています。

タリバンの蛮行】

このカバーにある女性の名前はアイーシャ(Aisha)。18歳。夫の暴行(DV)を受けて、殺されそうになったため夫の家族から逃げ出したところをタリバンに捕まって、他の女性たちへの見せしめのため厳罰を下され、夫からナイフで耳と鼻を削ぎ落されたのです。

タリバンとはみなさんもご存じのとおり、パキスタンとアフガニスタンで活動するイスラム原理主義運動、もしくはその運動を支持する武装勢力のことをいいます。彼らは一時はアフガニスタンを支配した時期もあったのですが、2000年に入って9/11を策動したアルカイーダと連携し、国際的なテロ活動を拡大させたため、アメリカとその有志連合諸国から攻撃され、現在もその戦闘がパキスタン、アフガニスタンを中心に続いています。

特に問題なのは、彼らはもともとはイスラム神学校で教育を受けた「学生」が中心だったのですが、その後過激なイスラム原理主義を信奉するようになり、公開処刑を実施し市民の見せしめにしたり、女性は学ぶ事も働く事も禁止し、外出さえも認めないなど、一時はあったアフガニスタン市民の支持も失ってきたことです。

アメリカなどの支援を受けた現在のアフガニスタン政府はタリバンとは対峙しているため、女性の基本的権利は認められ、例えばオリンピック代表にRobina Muquimyar Jalalaiさんなど2人の女性アスリートが参加するといった女性の社会進出も僅かではありますが進んでいたのです。

【アフガンの女性たちの運命】

Jalalai
ところが、今、アフガン政府はタリバン勢力との一部和解を画策しているとの話があり、そうなれば女性たちの権利は再びタリバン政権時代のように踏みにじられる恐れがあると女性たちは恐れているのです。

そのタリバンの蛮行の端的な例がこのタイム誌のカバーに出たアイーシャさんなのです彼女は命を張って、アフガン政府や世界に「このままでは私のような不幸になる女性がアフガニスタンにどんどん増えていく」と訴えているのです。一枚の写真が世界を動かすことがある。ベトナム戦争のときの米軍の空爆から逃れる少女の写真が世界を動かしたこともありました。今回、この写真がそうなるのかどうか、それはわかりません。しかし、少しでも世界の人たちがアフガンの女性の惨状に目を向けるきっかけにはなると思います。

いづれにしても気になるのはアィーシャさんの運命です。タイム誌に掲載されたことでタリバンから狙われるのではないか。彼女の顔を整形して元の顔を取り戻すことは出来ないのか。疑問はつきません。幸いなことにタイム誌のmanaging editorのRichard Stengel氏は彼のメッセージの中で、彼女の写真を掲載することで彼女の身の危険が侵されないように様々な手立てを打つとともに、カリフォルニアの人道支援組織 the Grossman Burn Foundationの助けでアメリカで整形手術を受けるように手配しているそうです。本当によかったです。

この記事はアメリカのプロパガンダだと思う方もいるかもしれません。しかし、日本の新聞や雑誌でここまで踏み込んだスクープを出せるメディアは果たしてあるでしょうか。僕はアィーシャさんとタイム誌の勇気に脱帽します。みなさんはどう思われますか?

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253便の恐怖―テロは防げるか?(1)
【テロの恐怖】

昨年末の米ノースウエスト機の爆破未遂事件は、オバマ大統領にとっては強烈な一撃だったようです。

『デトロイトで米ノースウエスト航空(NWA)機の爆破未遂事件が起きたことを受け、ハワイで静養中のオバマ米大統領は25日、航空機の安全確保に「可能なすべての手段」を取るよう治安当局に指示した。事件をめぐる詳しい状況は不明だが、クリスマスを襲ったテロの恐怖は、8年前に米中枢同時テロを経験した米国社会に衝撃を与えた。

 アムステルダムからの乗客を乗せたNWA253便は、同日昼(日本時間26日未明)、デトロイト空港に着陸した。乗客が機内で発火物に点火したとの連絡を受け、空港構内には警察車両などが殺到した。

 乗客らは米メディアに対し、「煙が上がり、何かが燃えるにおいがした」と証言。男は近くに乗り合わせた若い乗客により取り押さえられたという。

 事件で問題となるのは、アムステルダム空港での保安検査態勢だ。火薬類は花火でも機内持ち込みは厳禁。爆発物として利用される恐れがあるとして、液体の機内持ち込みも国際的に規制されているが、今回の男は、それをくぐり抜けたことになる。

 2001年9月11日の同時テロ以降、米国内で大きなテロ事件は起きていない。しかし、時間の経過とともに、対策がおろそかになっているのではないかという指摘もあり、今後オバマ政権への注文が厳しくなるのは必至だ。』(2009年12月26日付産経新聞)


【4つの教訓】

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この爆破未遂事件が米国にとって如何に衝撃的だったかは、年が明けてからも米メディアを中心に連日報道されていることからもわかります。1月11日号アジア版タイム誌のカバーストーリーも「飛ぶ恐怖」("Fear of Flying")というタイトルで取り上げています。そして、「テロとの闘いは未だ終わってはないのだ。未だ広がり続けているのだ。さらなる攻撃を防ぐために、我々が知っておくべき教訓が4つある」として4つの教訓を挙げています。

1.テロリストを捕捉する手段が機能していないこと。

2.空港での警備体制は破られる可能性があること。

3.オサマ・ビン・ラディンよりアルカイダのほうが大きいこと。

4.テロの脅威をみくびっていけないこと。


この4つの教訓などメディアから指摘されるまでもなく、米国政府は9/11以来あらゆる手段を講じてテロリストの攻撃から自国民を守ってきたと「過信」していたのかもしれません。しかし、今回、23歳の若者のたったひとりのテロさえ未然に止めることが出来なかったのです。

テロリストとがん細胞】

今回の事件で捕まったナイジェリアの23歳の若者を見ていて、僕は人間のガン細胞を思い浮かべました。

テロリスト
ガン細胞は正常細胞が突然変異を起こして人間の体を急速に蝕んでいきますが、だからといってガン細胞を徹底的に破壊したら人間の身体が元に戻るかというとそう単純ではありません。だからこそ未だガンは克服できていないのです。何かのきっかけで正常細胞がガン細胞になってしまうように、ごく普通の青年が「何かのきっかけ」で思想が変わりテロリストとなってしまうとしたら、どんなに精緻なテロリストのデータを整備して、どんなに厳重な警備システムを導入したところで何十億人もの人間をすべて捕捉することなどできないでしょう。

テロリストとガン細胞。私たち人間は、この「問題」に対して何か新たな発想やドラステックな転換を図らなければ、完全な解決にはまだまだ時間がかかるのではないでしょうか。

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テーマ:アメリカ合衆国 - ジャンル:海外情報

米国社会に歴史的変化?男女の雇用比率
【劇的変化】

女性の社会進出
日本でも女性の社会進出は目覚しいものがあるが、どんなに進んでいるように見えてもアメリカほど進んではいないのではないだろうか。そんな漠然とした感覚を裏付けるような記事を2009年10月26日号のタイム誌に見つけた。

「女性が今望むもの」("What Women Want Now"- A TIME SPECIAL REPORT)
The ancient question has a new twist; in the fallout of the Great Recession, what unites men and women matters more than what divides them, as old gender battles fade away
その記事の最初のページのグラフに、2009年末に米国の雇用における男女の比率が逆転するという劇的な変化が示されていたのだ。(現在の比率; 男:女=50.2 % : 49.8%)

【変化の原因】

タイム誌の調査によれば、1972年には雇用の6割が男性、4割が女性という比率だったが、この40年間でその差はどんどん縮まり、昨年のリーマンショック後の大不況で男性の失業が急増し、一気に逆転するまで動いたと言うのだ。不況がもたらした皮肉な結果である。しかも、今後の成長分野である看護や小売、顧客サービスの分野への女性の進出でさらに女性の雇用は増加すると見ている。

CBS NEWS
男女の雇用比率がほぼ半々という事実に象徴されるように、米国では大学では5割が女性、弁護士や医者は3割、軍隊でも14%が女性と確たるシェアを占めており、さらに象徴的には政治の世界におけるヒラリー・クリントン、サラ・ポーリン、CBSテレビのアンカーウーマンであるケイティ・クーリックなど女性の活躍には目を見張るものがあるのだ。

【気になる結果】

しかし、女性の目覚しい社会進出を示す多くの事実から明らかになった最大の変化は女性が自由になって経済力をつければつけるほど、幸せではなくなっているという皮肉な結果もあることを忘れてはいけない。

Among the most confounding changes of all is the evidence, tracked by numerous surveys, more education and more economic power, they have become less happy.

それはストレスに溢れた現代社会では、家庭を切り盛りしながら長時間働く女性はさらなるストレスに晒されるからであり、そういう女性の状況を政府も企業も改善するまでにいたっていないのが原因だとしている。

アメリカではもう女性が男女の性差別を訴えるという時代はとっくに通り越して、男女が如何に協調して急激な社会の変化に適応していくかを真剣に考えるべき時代に来ているのだ。果たして日本ではどうだろうか。

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迷走する米国の景気刺激策の効果
【空前の景気刺激策

景気刺激策
オバマ大統領が今年2月に議会を通した予算措置としては空前の規模である7870億ドル(日本円で約75兆円)の景気刺激策が全米で実行段階に入っていますが、どうもその効果についてアメリカ国民は最近疑念を抱き始めているようです。

7月13日号タイム誌「景気刺激策に何が起こっているのか?」("What Happened To the Stimulus?", Page 30-33, TIME dated on July 13, 2009)というタイトルで、この景気刺激策は魔法の弾丸ではないとして、ホワイトハウス内での議論やその原因についての記事が掲載されています。

The Administration's $787 billion booster shot is not the magic bullet some had expected. Inside the White House operation to fix that

【バイデンの監視チーム】

バイデン副大統領
米国民の疑念は各種世論調査に出ていて、そのうちひとつの調査では45%の有権者が景気刺激策は途中でやめるべきだと回答しています。

一体なぜこれほど信頼感を喪失しているのでしょうか?

最も大きな理由は、おそらく米国民の政府に対する根本的な不信感だろうと思います。すなわち、政府がかつて経験したことのないような巨額な予算を本当に有効に景気対策として実行できるかどうかと思っているわけです。日本でもそうですが、公共工事などの支出は実行段階では巨大な無駄と非効率を生み出します。失敗すれば倒産する民間とは根本的に違うのです。

バイデン副大統領はこの景気刺激策に対して責任を負っていて、政府内に8人の監視チームを置いて連邦政府や州政府、市町村などの予算要求、執行に目を光らせて、無駄や非効率と思われる予算要求は地方に取り下げるよう求めています。

Biden set up an in-house watchdog group, with a team that would grow to eight and a charge to keep the spending clean, quick and defensive.

また、州政府や市町村は、大きな予算を一度に要求できるし、簡単なので既存の橋や道路を補修するよりも新しい橋や道路を作ることを選択しがちですが、雇用の創出効果などから見ても既存の施設の改修・整備のほうが役に立つのです。

【馬鹿げたプロジェクトの数々】

正副大統領
地方の笑い話のようなプロジェクトがタイム誌の記事に紹介されています。例えば、フロリダではハイウェイを横切る亀のための横断道に340万ドルを支出するという予算が計上されたり、内務省の渡り鳥調査のための航空機購入に7百万ドル、数え切れないほどのミニゴルフやフリスビーゴルフといった娯楽施設の建築などです。(バイデンは「ゴルフ」という言葉の入った予算は認めないと指示しています)

民間と違って、役人は何の苦労もなく税金というポケットからお金を出して使います。自らの汗を流して得たマネーだという意識改革なしには、この「無駄を生み出す負のスパイラル」をなくすことは不可能でしょう。

果たして、バイデン副大統領と8人のチーム、そしてオバマ政権は「世論の直感」を真剣に受け止めて、効率的な予算の執行を監視・実行し、米国経済を軌道に乗せることが出来るでしょうか。アメリカの景気回復は日本経済にもリンクしているので、これからしっかり見ておくことが必要でしょう。

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ミスター・ワールド?ケビン・ラッド首相の手腕
【タイム誌への投稿】

7月13日号のタイム誌の記事 「ミスター・ワールド、ケビン・ラッド」("Mr.World; Kevin Rudd")について7月8日に投稿しましたので公開します。

Kevin Rudd
For me like many other Japanese, before I read your article, Kevin Rudd was imaged as just a stiff and locally biased politician simply because he has been criticizing Japan for its continued whale killing even for the research purposes which have been approved in a world community.

But my image of this Australia’s top leader is totally changed now. He has a say not only about Japan’s whale killing but China’s human right abuses in Tibet and other politically controversial matters between Australia and such big trading partners as the U.S., India and other Asian nations.

In a sense, he resembles U.S. President Barrack Obama because of his minority character as Aborigines, his seriousness to tackle controversial issues as statesman and his passion to change the status quo of his country and the world. From now, I want to support him as a new leader for Asia and the world.


【拙訳】

貴記事を読む前までは、他の多くの日本人と同じく私にとって、ケビン・ラッド氏は頑迷で偏見を持った田舎の政治家としか見なしていませんでした。というのは、彼はすでに世界では認められている調査目的の捕鯨を日本が継続していることを批判していたからです。

しかし、今はこのオーストラリアのトップ・リーダーに対する私の見方は完全に変わりました。彼は日本の捕鯨にモノ申すだけではなく、中国のチベットでの人権侵害やオーストラリアと米国、インド、その他のアジア諸国といった主要な貿易相手国と政治的に論争になっているような問題に対しても同じように意見しているからです。

ある意味、彼はアボリジニィという少数民族の出身であり、政治家として真摯な態度で諸問題に対処していること、また自国と世界の現状を変えようという熱意をもっていることなどの点で、アメリカのバラック・オバマ大統領に似ています。今からは、私はアジアと世界の新しいリーダーとして彼に声援を送りたいと思います。



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強権と貧富の狭間で揺れるイラン
【選挙結果確定?】

これで混乱が続くイラン情勢に終止符が打たれるのだろうか?

アハマディネジャド大統領
『保守強硬派アハマディネジャド大統領が圧勝した今月12日のイラン大統領選で不正があったとして、対抗馬だった改革派ムサビ元首相らが選挙やり直しを求めていた問題で、選挙結果承認権限を持つ護憲評議会は29日、「大統領選結果の正確さを承認する」との書簡をマハスーリ内相に送った。国営テレビが伝えた。
 選挙結果の最終確定を受け、アハマディネジャド政権2期目に向けた動きが加速する。しかし、ムサビ氏や支持者の不満は依然くすぶり続けているほか、政界や国民の間に深い亀裂が生じており、不安定な政情が当面続きそうだ。』(6月30日付時事通信)


【保守派と改革派】

イランのデモ
6月29日?7月6日号のアジア版タイム誌に「イランの目覚め("Iran's Awakening)」(page, 24-27, TIME dated on June 29 - July 6, 2009)というタイトルでイラン情勢に関する記事が掲載されている。その記事を読むとメディアで流されている表面的なイランの政治情勢というものが少し違っていることに気がついたのだ。

保守強硬派のアハマディネジャド大統領の圧勝という選挙結果に不正があったとして、敗れた改革派のムサビ元首相の支持者たちがテヘラン市街のあちこちで選挙やり直しを求めるデモを繰り広げ、その様子がテレビやインターネット、はたまたイラン市民がウェブ上のトウィッター(Twitter)facebookを使って書き込みや画像を発信し、全世界にその様子が流れた。それだけを見ると、政権維持に固執するアハマディネジャド大統領とその支持者たちは、多少不正をしてでも選挙を優位に進め、改革派のムサビ元首相の支持者たちはまんまとそのワナにはまり、長い間保守政権の弾圧に苦しんでいる多くの市民も現政権への不満を募らせているという「保守派→悪、改革派→善」という構図ばかりが真実のように見えてくる。

しかし、必ずしもそうではないというのがJoe Klein氏の現地からのレポートには書かれているのだ。

【意外に支持厚い保守派】

すなわち、デモの最中に出会った多くの市民や労働者、タクシードライバーたちからは、「アハマディネジャドは愛だ」とか「彼は私たち労働者の味方」といった声が意外にも多く聞こえてくると言うのだ。

But much of the cheese-buying public - the working class, the elderly, the women in chadors - seemed to adore Ahmadinejad. One of the favorite slogans of his supporters was "Ahmadinejad is love." ....A younger woman said, "He is the one person who really supports our class of people."

ムサビ氏
一方、改革派であるムサビ元首相は、個人的に崇拝されるようなカリスマ性はなく、もともと20年ほど前に政治の世界から離れた後は、芸術家そして建築家として成功しているいわば中産階級の代弁者のようなエリート的存在なのだ。

Mousavi, on the other hand, inspired little personal adoration. ....he had pretty much disappeared from public view for 20 years, living a quiet life as an artist and architect until he re-emerged as a polite prototype of the north teheran elite.

これは意外だった。テレビに時折出現するアハマディネジャド大統領は、イスラム原理主義的で危険な宗教色がちらつき、自国の核開発を正当化して、アメリカ非難ばかりをしている凝り固まった強硬な保守イスラム主義者としてしか見えなかったのに、イランの弱者からはそれなりの支持を得ているというのだ。

一般の人々には自由な言論も許されず、政府が情報をコントロールしている状態なのでどこまで真実かは定かではないが、西欧側からの報道やステレオタイプ的なイメージでイスラム社会や他の国々の政治情勢を判断するのは危険だということを改めて思い知らされた記事だった。タイム誌もアメリカの雑誌であるが、たまには中立的な立場で書かれていることもあるのだ。
みなさんは、イラン情勢、どう見ておられますか?

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テーマ:イラン - ジャンル:海外情報

グアンタナモの呪縛?オバマの戦い
【真っ向対立】

グアンタナモ収容所の閉鎖を巡って激しい議論が巻き起こっている。

グアンタナモ閉鎖を強調するオバマ大統領
キューバ・グアンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容所閉鎖の是非など米国の対テロ政策をめぐり、オバマ大統領とチェイニー前副大統領が21日、それぞれ演説して火花を散らした。オバマ大統領は、前政権の政策が米国の価値を傷つけ、結果的にテロリストを増殖させたと主張。一方、チェイニー氏は第二の同時テロを防いだと正当性を強調した。
 国立公文書館で演説したオバマ大統領は「最も大切な米国の価値観を守ることが、平時も戦時も、国の安全を守る上で最高の資産となる」と強調。収容所での処遇や中央情報局(CIA)による過酷な尋問が「法の支配を損ない、米国に対する世界の支持を失った」と指摘した。
 一方、直後にワシントン市内で講演したチェイニー氏は「当時、情報機関に合法的な権限を与え、テロを防ぐ有益な情報を得ることができた」と成果を訴えた。』(5月22日付時事通信)


【米国のメルトダウン?】

グアンタナモ
ブッシュ政権が世界から信頼を失い、米国の価値観のメルトダウンともいえる現象を招いた最大の「癌」のひとつがグアンタナモ収容所だ。

それはなんと、アメリカと国交がないキューバに、アメリカが1903年以来キューバから租借している米軍基地内にある。この収容所が注目されたのは2002年以来、イスラム過激派を収容し、人権を無視した過酷な拷問が行われていたことが発覚、世界中から非難を浴びたからだ。ではなぜ、テロ容疑者等をここに収容するのか?

それはキューバ国内でもアメリカ国内でもなく軍法のみが適用される治外法権区域であり、アメリカが自国の安全のために「犯罪者」と「捕虜」を都合よく使い分けられるからなのだ。

こんなバカな話はない。確かにテロ容疑者をここに「封じ込める」ことで短期的にはチェイニー氏が主張するように、アメリカの安全は確保されたかもしれない。しかし、ブッシュ時代に特に顕著になったこのアメリカのご都合主義がアメリカに対する不信感を増幅し、ひいてはアメリカの国民までもがアメリカの法の支配に対するモラルを喪失するという自国の価値観のメルトダウンを引き起こし、中長期的にはアメリカの安全を著しく脅かすことになるのは間違いないだろう。

だからこそ、オバマ大統領はこのグアンタナモ収容所の閉鎖を重要な公約のひとつとして掲げたのだ。

【理想と現実】

しかし、理想を実現していくのは難しい。オバマ大統領は、かつてない経済危機という難局を乗り越えるために様々な手立てを矢継ぎ早に打ってきて、多少の異論は飲み込みながら共和党・民主党の同意を得ながら議会を乗り切ってきたが、このグアンタナモ収容所閉鎖では議会の壁にぶつかっているのだ。

大局的には米国の価値観の回復に賛成する人たちも、目の前にあるグアンタナモ収容所のテロ容疑者たちを米国国内の刑務所に入れることには躊躇しているのだ。自分の身がかわいいから、臭いものにはフタをしたいのだ。よくわかる。

ここはオバマ大統領の正念場になるだろう。ぜひともグアンタナモを収容所だけでなく、軍事基地もろとも閉鎖してもらいたい。そこにオバマの理想があるのなら、そしてアメリカが再び世界の尊敬を集めたいと本気で思うのなら。

※最後にグアンタナモ収容所のことをアメリカでは略してGITMOと読んでいるのだが、この収容所のことはすでにタイム誌が2005年7月に採り上げていて、僕もこのことについてブログで書いた。興味のある方は、参考までにそのブログもご覧いただきたい。

《参考》

・「タイム誌の特ダネ?What's GITMO?」・・・2005年7月5日の僕のブログ記事


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100日目の評価?オバマ大統領
【百日の変化】

100日目のオバマ大統領
アメリカ大統領は就任後100日までに何が出来るかでその業績を評価されます。これは1933年に、大恐慌への対応としてすばやく「ニューディール政策」を発表したフランクリン・ルーズベルト大統領以来の慣例になっています。

もちろん、4月30日で就任100日目を迎えたオバマ大統領も例外ではありません。5月4日号タイム誌はカバーストーリーに「100日」("100 Days")と題してオバマ大統領の日常を捉えた写真とエッセイを掲載しています。

果たして、タイム誌のオバマ評は?

【ルーズベルト以来?】

100DaysJoe Klein記者によれば、オバマ大統領の現在までの評価は、正念場はこれからだとしながらも、フランクリン・ルーズベルト大統領以来最も印象深いと述べています。そう、メディアとしては異例なほど絶賛しているのです。

Obama's start has been the most impressive of any American President since F.D.R. The biggest tests are ahead of him.

一体、どういう実績をもってそう判断しているのでしょうか?

一言で言えば、オバマは、ブッシュの8年間だけでなく、レーガン以来失われたアメリカの信頼を回復すべく、猛烈なスピードで革命的な変革を実行していこうとしているということです。また、大多数のアメリカ国民も今のところそれを支持している。

具体的な事例を挙げると、先ずはこの3ヶ月で未曾有の金融経済危機を乗り越えるべく7890億ドルの景気刺激法案を始めとする15にものぼる法案を議会に通過させました。これだけでも過去の政権ではありえなかったことです。

また、就任前の公約どおり、グアンタナモ収容所の即時閉鎖や、イラクの撤退時期明示、キューバやアフガニスタンに対する政策などを次々と発表し、明確な「変化」を感じさせます。

【これからの挑戦】

執務室のオバマ大統領
日本から見ていても、その有言実行と政策のスピード、政権の信頼感などどれをとっても目覚しいものがあると感じるのは僕だけでしょうか。少なくとも日本の麻生政権とは雲泥の違いです。一旦、危機に直面すると強いアメリカの底力みたいなのものが感じられます。

しかし、オバマにとって難題はまだまだ山積しています。あまりにもドラスチックなやり方が、例えば金融業界や自動車業界などのエグゼクティブの反発を招かないか、今までは協力的だった議会もCO2排出削減のためのキャップ&トレードプログラム法案や医療保険制度の抜本的な見直し法案などに反旗を翻すのではないか、そして未だ着手していない中東和平を巡る対イスラエル政策で有効な手立てが打てるのかなどです。

これらの難問を考えると、この100日間は次々と難題を解決していったオバマ大統領ですが、まだまだゲームは始まったばかりと言えるかも知れません。みなさんはどう思われますか?

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テーマ:アメリカ合衆国 - ジャンル:海外情報

日本の変革者となるか?小沢一郎の賭け
【タイム誌への投稿】

3月23日号のタイム誌の記事 「日本を救うことを望んでいる男」("The Man Who Wants To Save Japan")について3月24日に投稿しましたので公開します。

Many Japanese people including myself do not expect Ichiro Ozawa to become the leader who could get us excited with smart speeches and hopeful but firm policies like President Obama, nor to become another Ichiro as a national hero in the baseball world for his Samurai-like disciplined style and superb skill. However, we recognize him as the temporary but only powerful political figure to change the beleaguered Japanese systems that have been piled up since the end of World War II by the powerful bureaucracy. In this sense, it seems clear to me that he is the alternative next Prime Minister to whomever from the old LDP. Escaping from a deepening recession is another matter.

《拙訳》

僕自身も含めて多くの日本人が、小沢一郎氏がオバマ大統領のような雄弁なスピーチと希望に満ちた確固たる政策で私たちをワクワクさせるようなリーダーになるとか、あるいは侍のような凛としたスタイルと並外れた技で野球界の国民的英雄になっているイチローのようになるなどとは思っていない。しかしながら、私たちは小沢氏が、一時的にせよ唯一の権力者として、戦後長い間、強大な官僚達によって積み上げられ窮地に立った日本というシステムを変革することができる政治家だとみなしている。この意味で、はっきりしているのは、古い自民党から誰が出てこようと、小沢氏こそが次の首相候補者だということだ。その際、深刻な不況から脱出するかどうかは別問題だ。

テーマ:政治と金 - ジャンル:政治・経済

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