9月4日号のタイム誌にふたつの写真がある。
そのひとつは、天皇皇后両陛下や皇太子殿下・雅子様の柔和な表情が際立つが型通りに撮影された皇族の写真を菊の御紋のついたカーテンの陰でがっちりと支える顔の見えない侍従の写真。(宮内庁はこんな写真を日本のメディアに認めるだろうか?)
もうひとつは、戸外の公式行事か何かで生き生きとした驚きの表情をあらわにした皇太子、雅子妃、秋篠宮、紀宮様たちのスナップショット。(これもなかなか日本では宮内庁お墨付きでは出ない写真だ)
このふたつの写真は現在の日本の皇室の裏と表を象徴する。
【宮内庁を浮き彫りにしたお世継ぎ騒動】
宮内庁は1日、愛育病院(東京・港区)に入院中の秋篠宮妃紀子さま(39)が6日午前に帝王切開手術で出産される予定と発表した。
雅子妃の男子懐妊の可能性を巡って、妃をかばう皇太子の宮内庁への痛烈な苦言、さらには女性天皇議論にまで発展したお世継ぎ騒動は、紀子さまの出産でひとつの大きな転機を迎えそうだ。
ただ、タイム誌はカバーストーリーでお世継ぎ騒動よりも皇室の背後で皇室を操る宮内庁を謎の官庁としてかなり批判的に取り上げている。(9月4日付記事「日本の皇族の謎」("Japan's Mystery of MAJESTY")
Japan's Mystery of MAJESTY ?A succession crisis has led to debate on the monachy ?and the shadowy agency behind it
タイム誌によれば、戦前は6000人の巨大組織だった宮内庁は、現在1100人まで縮小しているもののまだまだ隠然たる力を持って皇族の行動に残酷なまでに事細かく干渉し、皇室に何も起こらないことが最優先課題と言ってはばからず、皇室の歴史の真実を明らかにしようとする歴史研究者達の歴代天皇の墓の調査を神話こそが真実として頑なに拒否するなど、他の官庁とは考え方も行動もまったく異質の存在なのだという。
その典型的な例が雅子妃いじめだった。その後の皇太子妃の厳しい苦言にもかかわらず宮内庁の姿勢は何も変わっていない。チャールズ皇太子の慈善活動などある程度の自由が認められている英王室とは違って、日本の皇族には基本的人権すら認められず惨めな状態にあるというのだ。
Says Akira Asada of Kyoto University: "The royals aren't permitted to live like normal human beings. They are forced to live in a miserable situation, stripped of many basic human rights."
【皇族を護るのは誰?】
僕も含めて大方の日本人は、自然な感情として皇室や皇族に好意的な気持ちを抱いているのではないだろうか。そしてそこには昭和天皇の靖国神社合祀への不快発言などにも見られるように、天皇や皇族を政治目的に利用しようとする姑息な連中などを圧倒する、誠実で真摯な皇族の方々の姿があるからこそ国民は信頼をしているのだ。
にもかかわらず、その皇族を取り巻く宮内庁がその神秘性を護るという名目を錦の御旗にして、生身の皇族を追い詰めるようなことが実際に起こっているならば、外国から指摘されたり皇太子の苦言を待つまでもなく、僕ら国民はもっともっとこの神秘のベールに包まれた官庁に監視の目を光らせる必要があると思うがどうだろうか?
★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking