TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
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急ピッチで進む鉄道建設―中国の躍進
【進む鉄道建設】

リニアモーターカー
上海浦東国際空港と上海の中心部を結ぶ約30キロを7分間で走るリニアモーターカーはなんと時速430キロで走るということで、上海観光のひとつの目玉になっています。僕は3月に上海を訪れたときにはそのリニアカーに乗るチャンスはなかったのですが、上海に限らず今中国では主要都市を結ぶ鉄道網の構築計画が着々と進んでいるという記事が8月16日号のアジア版タイム誌に掲載されています。

「成長のエンジン」("Engines of Growth" by Austing Ramzy, p.34-36, TIME magazine)

【広がる鉄道網】

中国の鉄道
2008年のリーマンショック以降も、欧州や米国、日本などの景気低迷を尻目に成長を続けている中国。その重要な部分はインフラ整備に関わる投資なのですが、中でも鉄道網の整備計画とその進捗状況には目を見張るものがあるようです。

例えば列車の平均速度。1993年には時速48キロだったのが、2007年には70キロまで伸びています。中でも武漢と広州間は時速313キロで走り、10.5時間かかっていたのが今では3時間で行き来できるのです。

中国政府の計画では、鉄道建設投資に2009年の880億ドルから今年は1200億ドル、そして今後10年間で7000億ドル以上が投下される予定だそうです。特に高速鉄道網については、現在の6552キロを2年間で倍にするという野心的な計画を立てています。これが実現すると中国の鉄道網は主要国の中では飛びぬけて競争力のあるものになるでしょう。

【狙いとリスク】

その狙いは、中国国内の西部地域の長期的な経済発展を促すためだと言われています。国内の鉄道網が整備されれば人とモノの流れが円滑になり、特に高速鉄道が伸びることで国内経済のコストの削減、効率化が進むからです。

しかし、リスクもあります。依然として中国の人口の半分は地方に住んでおり、都市との所得格差も大きく、高いチケット代金を払って高速鉄道を利用することは出来ない人々も多いのです。所得の低い人たちにとっては高速鉄道よりももっと安い鉄道の整備を優先させるべきとの意見も多いのです。

鉄道はCO2の排出も少なく、地球温暖化防止にも役に立つわけですから、中国の野心的な鉄道整備計画は世界全体としても望ましいことだと思います。したがって、中国の鉄道網整備は、CO2の排出がアメリカに次いで多いといわれる中国の環境政策面での優位性を高めるひとつの武器となることでしょう。

現在は鉄道網が世界で最も発達していると言われる日本も、うかうかしていられませんね。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

中国優位?ー電気自動車戦争
【これからの車】

地球温暖化の影響を極力抑えるために有効な手立てとして、今ガソリン車に代わって電気自動車(EV)がいよいよ実用車として世界中で脚光を浴びつつあります。そんな中、自動車メーカーにとっては、この大不況の中での最後の切り札としてEVの開発・販売が至上命題となってきています。

中国車
8月31日号アジア版タイム誌「中国のパワープレイ」("China's Power Play")というタイトルで、EV市場での中国企業の野望が取り上げられています。

China' Power Play --- The market for electric cars is about to get bigger - and Beijing wants Chinese firms ready to cash in

【弱点が強みに】

日本では現在トヨタやホンダがハイブリッド車で先行していますが、いづれ車の主流はEV車になっていくというのが大方の見方ではないでしょうか。EV車といえば、日本車では三菱自動車の「i-MiEV」や日産の「リーフ」などがすでに参入していますし、米国車ではGMが「Volt」を発表しました。

Coda
しかし、タイム誌が注目しているのは、中国電気自動車です。昨年12月に中国で発売されたBYD社のハイブリッド車「F3DM」に続き、この6月には米中合弁でCodaというEV車がデビュー、来年にはカリフォルニア州で販売される予定です。価格は45000ドル(4.2百万円)、1回の充電で145-193キロを走ります。これだけでも欧米や日本のクルマにも引けをとらない性能と価格競争力を持っていると言えます。

では何故、中国がそれほどEV車を国を挙げて推進しようとしているのか。それは、先ずEV車は比較的新しい技術であり、技術や販売などあらゆるフィールドで長い歴史をもつ欧米や日本の自動車メーカーに比べると歴史の浅い中国の自動車メーカーが優位に立てる可能性があるからです。まさに電話インフラのなかった途上国で携帯電話が急速に普及したのと同じように、弱みが強みとなりえるからです。

また、不況で買い控えが広がっていて、しかもガソリン車の魅力を知り尽くしている欧米などの消費者に比べると、依然として景気もよく、自動車の売れ行きもいい中国の国内マーケットが控えていることも強みとなっています。さらには、EV車に積極的に取り組むことで、CO2排出削減を世界にアピールすることにもなります。

【解決すべき課題】

ただし、課題もあります。先ずは価格。45000ドルではまだまだ中国国内ではガソリン車の価格に対抗して消費者に買ってもらうには高いといわざるをえないでしょう。また、中国では自動車を取り巻くインフラはまだまだ発展途上であり、標準的な家庭でもEV車の充電が手軽に出来るとは限りません。

それでも、米国などと連携して自動車市場を戦い抜いてゆくには、最良の選択肢であることは間違いないでしょう。日本のメーカーもうかうかしてはいられないのではないでしょうか。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

中国の小行軍?郊外化の先にあるもの-その2
【タイム誌への投稿】

2月25日号タイム誌の記事「China's Short March」について3月5日に投稿しましたので公開します。

080225TIMECover

After looking at the photos of your article, I was appalled to know that the impact of China’s Short March seems to be enormously bigger than any suburbanizations that had happened in many advanced economies, especially Japan and the United States for the last several decades.

If this kind of rapid suburbanization spreads all across China, more and more people in the middle and upper class will commute by their own cars between homes and offices, use air conditioning at home and water for gardening with emitting vast amount of carbon dioxide and to shortening the water supply, resulting to accelerate global warming in the near future.

However, we, as the citizens of the advanced economies, can’t blame them simply for high carbon emissions since we have done the same kind of behaviors in the past. Instead, we should give them some advice, technical and financial support to prevent them from going to catastrophe together with us.


【拙訳】

貴記事の写真を見て、中国の小行軍のインパクトは過去数十年にわたって日本やアメリカといった多くの先進国経済で起こった郊外化よりもはるかに大きいということに本当に驚きました。

もしもこれほどの郊外化中国全土に急速に広がっていくならば、中流そして上流階級の人たちがますます自宅とオフィスを自家用車で通勤し、家ではエアコンを使い、庭には放水をすることで大量のCO2を排出したり、水不足を招いたりして、近い将来には地球温暖化をさらに加速させることになるだろうということです。

しかしながら、先進国の市民であるわたしたちは過去に同じような過ちを犯してきたのでCO2の排出が多いからといって中国を責めることはできません。その代わり、一緒に破滅に陥らないようにアドバイスしたり、技術や資金支援をすべきなのです。


《参考》

残念ながら今回の投稿文は読者の一意見ということだけでタイム誌への掲載のための一次審査の対象にはならなかったようです。残念。以下はその旨のタイム誌からの返信でした。


Dear TIME Reader,

Thank you for letting us hear from you. The editors appreciate the interest that prompted you to write, and they have made attentive note of your comments. We hope that you will continue to share your thoughts with us.


Best wishes,

TIME Letters


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中国の小行軍?郊外化の先にあるもの
【"Short March"って何?】

080225TIMECover

鍵を高らかに上げて未来を見つめる大勢の人々。そのタイトルには「China's Short March」(中国の小行軍)とある。2008年2月25日号タイム誌の表紙を飾ったイラストだ。一体、ショート・マーチとは何を意味するのだろうか?

興味をそそられて、早速そのカバーストーリーをめくってみると最初のページに中国の郊外らしき場所にある売り出し中の豪勢な邸宅の写真があった。

そう、小行軍(Short March)とは1934年10月に国民党の攻勢を逃れるため中国共産党がその本拠地江西省瑞金を離れ、1万2500キロもの大行軍を行った「長征」(Long March)をもじってタイトルにしたものなのだ。それでは一体現代中国の小行軍とはいったいなんだろうか?

【巨大な郊外化のうねり】

それは中国で急速にしかも大規模に進みつつある郊外化(suburbanization)のうねりのことなのだ。

China's Short March-----Millions are moving to newly built suburbs outside China's big cities. Their migration will change the nation ---and the world.

中国の郊外化

毎年10%以上の高度成長が10年以上にわたって続く中国経済。上海や北京だけでなく中国全土の主要都市では高層ビルが次々と建設され、猛烈な都市化が進行している。そんな急速な発展を遂げている100万以上の都市の数は米国の8つ(2000年現在)に対し、中国では48都市にもなるのだ。

繁栄を謳歌する都市に貧しい農村から3億?4億人もの人々が移動し、建設業だけで18百万人もの移動労働者が従事するのだ。

人が集まればマイナス面も増幅する。工場や車の排気ガスで大気は汚染され、環境破壊が進む都市を逃れて、中産階級の人々が郊外へ郊外へと移動していくのだ。多少の違いはあっても、第二次大戦後に大勢の帰還兵が帰国し、その後も経済発展による都市の荒廃を逃れて郊外へと人口が移動した米国や日本と同じような現象がものすごい規模で今中国で起こりつつあるのだ。

上海だけでも今後10年間に5百万人もの人々が郊外へ移住すると予測されている。そのインパクトは中国だけでなく、世界中に及んでいくだろう。

【小行軍の行く末】

都市と農民

一体、この中国の人々の郊外への小行軍(Short March)はこれからどこへ行くのだろうか?

裕福な中産階級は郊外の恵まれた環境へ移り住むことができるだろう。しかし、冷暖房を完備した住宅から、都市までのマイカー通勤など、今のままではアメリカ型のエネルギー大量消費社会が次々と中国各地に増殖していくことになるだろう。その一方で8億?9億もの貧しい農民との格差は広がるばかりだろう。

グローバリゼーションの恩恵を受け続けようとするならば、中国政府はこの流れを止めることは出来ないだろう。そして、今までエネルギーを浪費し続けてきた米国や日本をはじめとする先進諸国もこのような中国の発展形態を「悪」だと咎めることはできないのかもしれない。

中国の小行軍・・・これは崖に向かって一目散に突き進むネズミの大群を思い起こさせる。いや、中国だけではなく、人類全体に突きつけられたグローバリゼーションの負の側面への重い課題なのかもしれない。

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カウボーイが中国に!??畜牛で米中協力
【進化する中国人の胃袋】 (少し長くなりますが、お付き合いくださいね)

世界経済を猛烈な勢いで牽引しはじめた中国経済。その経済力を維持・拡大するため、中国は世界中から石油を始めとするエネルギーをかき集めていることが最近問題になっているが、数億人ともいわれる中流以上の中国人たちの胃袋も世界中のあらゆる食品を物色し始めてさまざまな波紋を投げかけている。

日本との関係でいえば、魚。日本食ブームに乗ってマグロなどの寿司、刺身食材で日本の商社が世界各地で中国企業に買い負けていることが最近話題になった。そしてアメリカとの関係では・・・・・そう、牛だ。

豊かになれば例外なく肉の需要が爆発する。その真っ只中に今中国はあるのだ。

カウボーイ登場】

Western Cattle

10月8日号タイム誌「グローバル・ビジネス」で、 「オープン・レンジ」("Open Range")と題した内モンゴル自治区に進出する米畜産会社Western Cattleの中国進出の話が取り上げられている。

裕福になった中国人たちの巨大な胃袋を満たすために、米国流の大規模畜産の手法を持ってカウボーイが教育的指導に中国に乗り込んできたのだ。

Open Range : To satisfy China's hankering for steak, American cowboys are teaching Inner Mongolians a new way to raise cattle

内モンゴルの米国畜産会社

中国では1990年代のマクドナルドの進出以来、急激に肉の消費が盛り上がり過去5年での肉の消費量は31パーセントも伸びているのだ。(因みにその間、アルゼンチンは6%、米国▲2.4%、日本▲8.6%)

こんなビジネスチャンスを逃す手はないとばかり、様々な投資優遇措置で外資を惹きつける内モンゴル自治区政府にアメリカの「カウボーイ」企業が颯爽と進出してきたのだ。このままいけば、来年にも牛肉の不足が顕在化すると言われる中国では救世主的存在なのかもしれない。

Comsumption has risen 31% in the past in the past five years alone, according to the U.S.Depatment of Agriculture. "The beef market is expoloding," says Western Cattle president Jim Mueller. Owing to soaring demand, China could face beef shortages as early as next year.

【退却なき前進】

しかし、問題もある。進出当初はそれなりの人手も必要となり、内モンゴルの雇用創出にも役立つかもしれないが、もともと米国流の大規模農業の代表のような畜産手法は、コストを最小限にするために人手をかけないのが特徴だ。さらには、区都フフホト(Hohhot)周辺の小規模畜産農家への打撃もこれから顕在化するだろう。もっと言えば、中国は環境対策が遅れているため、今後大規模畜産による伝染病の可能性、環境汚染などの影響も心配されるのだ。それらを避けるためには、今後、自治政府によるインフラ整備のための大規模投資が不可欠だろう。

Without investment, "the booming beef and cattle industry would mean the destruction of the community and environment they rely on, "says Wen.

グローバルなビジネスチャンスを狙って、様々な分野で外資の進出が加速する中国。マネーを追うスピードはピカイチの連中ばかりだ。ここでも弱者を置いてきぼりにしない手当てを早めに打っておくことが後々に傷口が大きくなるのを防ぐことになると考えるのは僕だけだろうか。中国だけではない。インドでも東南アジアでも日本でも問題の本質は同じなのだ。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

メコン川に注ぐ中国の光と影
【メコンの流れ】

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中国からベトナムまで8カ国に接し、全長4千キロ、水源から河口までの標高差5千メートルにも及ぶ悠久のメコン川の流れ。過去何世紀にも亘って、その川辺に棲む人間たちの生活や争いをつぶさに見て、清濁併せ呑んできたメコン川。その流れがある国の力で大きく変わろうとしている。

そう、変えようとしているのはメコンの源流の中国であり、変わろうとしているのはメコン川とその周辺国だ。

9月10日号タイム誌メコン川の湾曲」("A Bend in The River")と題して、中国がメコンを活発な交易のためのハイウェイと新たな電源に変えることで、周辺諸国の経済を活性化させている一方で、水路の命を脅かしているとレポートしている。

【南下する中国の功罪】

メコンの位置

すなわち、過去数千年にわたって偉大なメコンには手をつけなかった中国が、ここ数年顕著な動きを見せているのだ。

先ずはダム建設。すでに雲南省には2つのダムが完成し、3つが建設中、2つが計画中だ。これらのダムによる発電は中国だけでなく、川下にあたるラオス、タイ、カンボジア、ベトナムといった国々にも恩恵をもたらすだろう。電力以外でも中国との交易のためのハイウェイとしてメコンの重要性が以前にも増して高まっているのだ。

しかし、メコンの変貌は必ずしもいいことばかりではないようだ。メコン周辺の7カ国に住む7千万人近い人々の暮らしは、まさにメコンのもたらす自然の恩恵で成り立っている。米の栽培にしても、水産物にしてもそうだ。

それらの自然の恩恵がダムの建設や大きな交易船の航路のための浚渫などにより脅かされる可能性も大なのだ。

Yet Chinese dams, along with engineering projects to make the river navigable by larger vessels, have begun to ravage the river's ecology by blocking sediment and produing unnatural water flows that dissuade fish migration and spawning.

【国を跨ぐ河川の争奪戦】

悠久のメコン

メコンが我々に語ろうとしているのは何か。それは、石油や希少金属などと同じように、陸続きの国々にとってこれから河川がもたらす水そのものが資源争奪戦の対象物になるということだ。

そのとき、誰が河川の水を支配し、誰がそこから利益を享受することができるか。アジアでは今、メコン川を巡って巨大国家中国とインドシナ諸国の協調と争奪のせめぎ合いが始まった。
果たしてメコン周辺の国々にとって、中国にとって、そして日本にとって、メコンの変貌は吉と出るのか、凶と出るのか。これからは国境よりも大河の流れにも目を向けていく必要がありそうだ。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

ノンポリとMe世代―中国の変容
【経済発展とMe世代】

それは1992年に始まった。そう、当時の中国の最高指導者であり改革派だった小平がシンセン等の都市を巡り、社会主義体制の下で市場経済を導入して経済発展を進めるとの宣言「南巡講話」を出したあの時である。

あれからたった15年足らずの間に中国は毎年9%以上の経済成長を達成し、世界経済を牽引するほどの力を持ってたのだ。来年には北京でオリンピックも開催される。

そんな中で、中国の若年層、ミー世代は政治についてどう考えているのだろうか?8月6日号のタイム誌は「中国のミー世代」("China's Me Generation")と題して、中国の新興中流層は若く、金持ちで幸運を享受しているが、政治には無関心とレポートしている。

China's Me Generation ― The new middle class is young, rich and happy. Just don't mention politics.

【ノンポリと消費社会】

China's Me Generation


タイムの記事を読むと、中国の若者達の行動様式の変化に驚かされる。その中では、女性ダンサー、会計士、コンサル会社の保険数理士等さまざまな専門職業の若者達が登場し、携帯を操り、海外に旅行し、日々の生活をエンジョイしている様が描かれている。彼らのもっぱらの関心は自分の生活がどう豊かになるかであり、政治には無関心を装っているのだ。

※写真は中国の若手女優Liu Yun(23才)

30歳以下の中国人はおよそ3億人。しかし、かつての文化大革命、天安門事件などの政治的事件は過去のものとなり、グローバル経済の枠組みにしっかりと組み込まれ、消費社会がもたらす様々な経済的恩恵にその大半の人々は酔っているのかもしれない。

そういった若者の姿は、日本の若者と大差ないように見える。消費社会に生きているという意味ではどこの国の若者も、政治よりも自らの経済的利益に関心が向くのは仕方ないことなのだろうか。

【不況が転機か】

こういった中国の新しい若者層の政治的無関心は、経済的な繁栄が続いているときには問題にならないかもしれない。しかし、不況が訪れたときにそれで済むかどうかが問題だ。

The political passivity of China's new elite makes sense while the good times roll. The question is what will happen to the Me generation - and to China - when they end.

もうひとつ問題がある。それはこれら都市の若年中間層・富裕層と地方の農民との格差問題だ。都市では土地所有権が認められようとしているのに、農民は土地を買うことができないこともその一例だ。

中国の若者達のミーイズム。不況や混乱が国内で噴出したときに、彼らの不満の矛先が政治に向くとしたら、自国政府ではなく隣国日本になる可能性は高いだろう。これからもしっかりとミー世代の中国の若者の動きはウォッチしていく必要がありそうだ。

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テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

メイド・イン・チャイナの波紋―その2
【タイム誌への投稿】

7月9日号タイム誌の記事"The Growing Dangers of the China Trade "について7月10日に投稿しましたので公開します。

The Growing Dangers of the China Trade TIME, July 9, 2007

中国の工場

Your article on the tainted imports “made in China” reminds me of a huge number of products made in Japan once notorious for its cheap price with bad quality exported to the world when Japan tried to recover from the ashes of World War II. However, after several decades most of our goods and services gained its fame and trust from all over the world because both corporate managers and workers tried hard to constantly improve its quality to earn the full trust of severe domestic consumers first, then of overseas ones at last.

I am sure that China could do the same only if Chinese consumers keep sharp eyes on their own products and demand better and safer qualities as the Japanese and western consumers do.

For the time being until Chinese consumers begin to awake, however, Beijing and local authorities need to give tougher regulations to greedy and dirty corporate managers making those tainted products.


≪拙訳≫
中国製の」汚染された輸入品に関する貴記事を読むと、かつて日本が第二次大戦の荒廃から立ち直ろうとしていたときに、安いけれど粗悪品だった日本製品が世界中に輸出されていたことを思い出します。しかしながら、数十年後には私たちの商品やサービスは世界中から信頼と名声を勝ち取りました。それは経営者も労働者も一丸となって一生懸命品質改良の努力を続け、先ず国内の厳しい消費者、そして最後には海外の消費者の全幅の信頼を得たからなのです。

中国の消費者が自国の製品に厳しい目を向けて、日本や西欧の消費者と同じようによりよく安全な品質を求めさえすれば、中国も同じことが出来ると確信しています。

しかし、中国の消費者が目覚めるまでしばらくの間は、北京政府と地方政府がそれらの粗悪品を作っている貪欲な経営者達に厳しい法的措置を課す必要があります。


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【追記】

7月11日にタイム誌から「採用するかもよ」という例のメールが届きました。それにしても昨年11月6日号で採用してもらったので、またしばらくは難しいかなあ?。

Dear Reader,

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. Should your comments be selected for the column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.


TIME Letters

テーマ:中国 - ジャンル:海外情報

メイド・イン・チャイナの波紋
【食肉偽装から歯磨き粉まで】 (少し長くなりますがお付き合いくださいね)

歯磨き粉

つい最近まで日本では食肉偽装で閉鎖に追い込まれたミートホープ社など消費者をだます企業に対する不信感の高まりが社会的に大問題になったが、世界では食品に限らずあらゆる製品での或る国のもっと広範囲な「偽装」が大問題になっているのをご存知だろうか? そう、歯磨き粉に有毒なジエチレン・グリコールが入っていてパナマで100人近い死者まで出たというあの事件だ。そしてその歯磨き粉の生産国、それは中国だ。

いったい、何がどう問題になっているのだろうか?

歯磨き粉からタイヤまで】


中国の工場

7月9日号タイム誌「中国貿易で高まる危険」("The Growing Dangers of the China Trade")と題して、ペット・フードから歯磨き粉、おもちゃからタイヤまでリコール続きの騒動にアジアブームの陰の側面がちらつく中、輸入品の安全をどう確保するかを投げかけている。

The Growing Dangers of the China Trade ―Recalls of tainted pet food, toothpaste, toys and tires show the dark side of Asia's boom. What it will take to make imports safer

タイム誌はあくまでも米国の視点からレポートしているのだが、今や米国に入ってくる輸入品の4割が中国製で、リコールの4割も何らかの形で中国が関わっているという状況でほとんど打つ手なしというのが実態のようだ。

なぜか?それは中国製品の輸入量が10年前の4倍以上にもなる米国では輸入品の安全性などをチェックする監督機関であるFDAがいちいち個別の品目を検査してお墨付きを与えることなど不可能に近いからだ。

誰かが亡くなるまで、米国の消費者は「炭鉱の中に有毒ガスの検知のために飼われているカナリア」のような実験台と同じ状態に置かれているのだ。

Nothing happens unless someone dies. "Consumers are the canary in the coal mine for this system".

しかも、こんな世界中からの不安の声に対して、有毒歯磨き粉を作った中国企業家は、「中国政府がすでに正式の回答をしているだろう。それ以上、何が欲しいんだ」と言っているそうだ。

Adds manager Hu Keyu:"The Chinese government already issued a statement. What do you want from us?"

なにか、ディズニーやらどらえもんのフェイク(偽物)のぬいぐるみを堂々と使っていたあの北京市の遊園地の店員が、「何が悪いんですか?」と悪びれる様子もなくインタビューに答えていた光景と重なって複雑な気持ちになった。

【消費者の目覚め】

まだ中国経済の規模が世界経済の中ではマイナーだった数十年前ならともかく、21世紀初頭の中国は紛れもなく欧米・日本に次ぐ経済大国になり、あらゆる中国製品が世界中にさまざまなルートを通じて流通している中では早急な手立てを世界が真剣に考える必要があるだろう。

中国政府もWTOに加盟して北京オリンピックも来年に控えている以上、様々な規制策を打ち出しているようだが、問題の根は深く、規制くらいでは解決しないだろう。

タイム誌も指摘しているように、結局は中国の消費者が自国製品の欺瞞や問題点に気づき、自ら企業家に姿勢を正すよう要求していくように「成熟」していくしかないだろう。

It's whether Chinese consumers will demand-and-receive-the same assurance of safety that Western consumers do.

日本もかつては未成熟な消費者の目が企業家を見極めることが出来ずに様々な粗悪品を海外に輸出していた時期があった。しかし、国内の消費者の厳しい目に促される形で政府が動き、企業が動いた結果、今のような比較的優れた製品を多く生み出すようになったのだ。日本人の道徳心、そして絶え間ない消費者の厳しい目が企業に緊張感を生み出していることを思えば、中国の消費者も早く目覚めて欲しいと思うのは僕だけだろうか?

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テーマ:海外ニュース - ジャンル:ニュース

欧米を凌駕するアジアの科学
少し長くなりますので、最後までお付き合いくださいね。

【科学よ、お前もか!】

アジアからの変革の波は経済だけではなかった。サイエンスの世界でも欧米が脅威を感じるほどの変化の波がアジアに押し寄せているのだ。
061030TIMECover

10月30日号のタイム誌のカバーストーリー「アジアのサイエンス革命」("ASIA'S SCIENCE REVOLUTION")サイエンスの分野でもアジア人の才能と野心とマネーがアジアを変革の先進地にしようとしていると紹介している。

ASIA'S GREAT SCIENCE EXPERIMENT

A potent brew of talent, ambition and serious money are making the region a leader in innovation

アジアの記事というとHANNAH BEECH氏がよく出てくるのだが、アジア各地のタイム誌の特派員達との連携でよくアジアのサイエンスの実情を明らかにしており、欧米よ、このままで大丈夫か」といったニュアンスが感じられ読み応えのある記事に仕上がっている。

果たして、アジアのサイエンスはそれほど力をつけているのだろうか?

【経済力が後押し】

アジアの科学者

変革のには常にマネーが動いている。その震源地は中国、インド、韓国、そしてシンガポール

GDPに占めるR&D政府予算の規模(1995-2005年)は、米国、EU等は減少しているのに対し、中国では0.6%から1.3%と倍になっているのだ。GDP比での予算規模10傑には、イスラエル・スウェーデン・フィンランドに続き4位日本(3.15%)、6位韓国(2.64%)とアジアは二カ国だけだが、中国が猛チャージをかけてきているのだ。

To foster their dreams, Asian nations have dramatically increased their government spending.

もうひとつのパワー、それは人財だ。毎年大量の学生を欧米の大学に進学させている中国やインドでは、かつては研究施設も貧弱で研究成果も出しにくい母国に帰国する卒業生は少なかったが、急速な経済成長と政府の後押しで続々と立派な研究施設と帰国する研究者への待遇改善が進み、今では中国一国だけでも20万人近い科学関係の学位を取得した人たちが戻ってきて素晴らしい研究成果をあげつつあるのだ。

かつては日本でも頭脳流出が問題視されたことがあったが、今では前述のような「海がめ」研究者("Sea turtles" 一旦大海に出た亀が戻ってくる喩え。なかなかうまい言い方です)の頭脳奪還によりますます中国等のアジア諸国ではサイエンス勃興のエネルギーになっているのだ。

This brain gain has accelerated China's science drive.

【倫理規範と功へのあせり】

しかし、手放しで喜ぶのは早すぎる。欧米の大学で学位を取得した研究者が母国に帰ってくる理由の中には、中国やインド等では生命倫理の規範が緩く研究がしやすいこともあるとタイム誌は伝えている。これは由々しき問題だ。

そしてもうひとつは功を焦るあまりの研究者達のフライングだ。まだ記憶に新しいところでは今年1月の韓国ソウル大学の黄禹錫教授による胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の研究ねつ造事件だ。そこには儒教思想の影響か年配を敬うあまり大教授にはものも言えない風土などアジア人特有の問題も潜んでいる。

アジア各国で深刻化する環境問題と同様に、マネーがある今だからこそ10年?20年先を見据えた研究開発のあり方、サイエンスの健全な発展をアジア人同士が連携してしっかり考えていくべきではないだろうか。そのために日本が果たせる分野は多いと思うがどうだろうか?

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