TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ローマ法王の勇気?トルコ訪問
ローマ法王トルコ訪問

トルコ宗教庁長官とローマ法王

連日報道されていたにもかかわらず殆ど僕ら日本人が関心を示さなかったが、世界的には注目されていた出来事が無事に終わった。ローマ法王トルコ訪問だ。

ローマ法王ベネディクト16世は1日、イスタンブールのカトリック司教座聖堂でミサを行い、4日間にわたったトルコ訪問を終えて帰国の途に就いた。ミサにはキリスト教徒約700人が参列。東方正教会で名誉上の首位にあるバルトロメオ1世・コンスタンチノープル総主教ら、カトリック以外の聖職者も姿を見せた。 (12月1日付毎日新聞)

※写真はトルコ宗教庁長官と会うローマ法王

ローマ法王は11月28日にトルコの首都アンカラに入り、エルドアン首相、セゼル大統領、バルダックオール宗教庁長官と相次いで会談し、12月1日のミサで就任以来初めてだったイスラム国への訪問を無事終了したのだ。

ローマ法王は何故トルコに行き、何があったのか?

【イスラムとの対話】

ローマ法王のトルコ訪問の最大の目的、それはイスラム教の「ジハード(聖戦)」批判発言でこじれたイスラム社会との関係修復にあった。

それが西欧社会にとっていかに大きな出来事だったかは、11月27日号のタイム誌がそのカバーストーリーに「イスラムと対峙する法王」("THE POPE CONFRONTS ISLAM")というタイトルで大々的に取り上げたことからも明らかだ。法王のトルコ訪問がイスラムと西欧に長年続く論争に新しい局面を開いたのだ。

061127TIMECover

THE POPE CONFRONTS ISLAM

How Benedict XVI's first visit to a Muslim nation could reshape the debate between Islam and the West

事の発端は昨年9月のローマ法王のドイツでの発言だった。ドイツのレゲンスブルク大学での講演でイスラム教の預言者ムハンマドがもたらしたものは邪悪と非人間性だけだ」との東ローマ帝国皇帝の発言を引用してイスラム教の暴力性を暗に批判したことが、世界各国のイスラム教徒から激しい反発を浴びていたのだ。

※レゲンスブルク大学での講演内容


預言者の批判となれば相当のリスクが伴うことを法王は知っていたと思うのだが、タイム誌が言うようにそれが意図的になされたものかどうかはわからない。

It remains unclear whether Benedict was deliberately trying to raise the temperature.

しかし、ローマ法王の考えていた以上にその発言の余波はイスラム社会のみならず世界中に広まり、何らかの収拾策が必要になっていたのである。

【法王の勇気と今後】

たった4日間のトルコ訪問ではあったが、身の危険に晒されながらも法王はやるべきことをやったようだ。トルコの宗教庁長官と面談したり、イスタンブールのモスクで祈祷したりしてイスラム社会との融和をアピールするとともに、同じキリスト教である東方正教会の司教とともに「トルコのEU加盟には信教の自由が不可欠」と発言してイスラムをけん制することも忘れなかった。

しかしながら、タイム誌の指摘するように法王は9月の発言に対するイスラム社会の反発への謝罪はしたものの、基本的にイスラムの理性なき暴力性への懐疑心は変わっていないようにも思える。

とにもかくにもローマ法王自らイスラム国を訪問し、自己のなした発言が招いた波紋を収拾し、今後の対話の糸口を見出したことには素直にその勇気を賞賛すべきだろう。

すでにヨーロッパを始めとする西欧社会には深く広くイスラム社会が入り込み、イスラムと西欧という対立構図を強調すればするほど深いジレンマに陥っているというのがテロの連鎖に悩む現在の世界ののっぴきならない状況なのだ。

「文明の対立」のこれ以上の悪化を防ぐためにも、イスラムとキリストという二大宗教の対話のチャネルを開いておいてほしいと思うのは僕だけだろうか。

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。