TIME誌で知る世界の時事ニュース
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五輪効果?ロンドン・北京空港比較考
【乗客の不満と空港建設】

ヒースロー空港

国際線での長いフライト。窮屈な席、まずい食事、B級映画。どうやったら、こんな不満をぶつける乗客を癒すことができるでしょうか?

ひとつの解決策は空港でしょう。より広くて、スタイリッシュで、便利なターミナルがあれば航空会社は、不満だらけの乗客にフライトを待つ間のつかの間の満足を提供することができるのです。

そしてそんな空港を創るベストタイミングは? ずばり、オリンピックです。

ロンドンと北京】

4月7日号タイム誌「Come Fly with Me」と題して、ロンドンと北京に有名建築家の手による効率よく使いやすい斬新な空港が出来ているという記事が掲載されています。

Come Fly with Me. Starchitect-designed terminals in London and Beijing stake stylish claims for comfort and efficiency

ヒースロー第五ターミナル

先ず、ロンドン・ヒースロー空港。年間7千万人の乗降客をさばく欧州ナンバーワン、世界第三位の民間空港は、老朽化した4つのターミナルのおかげで(?)荷物紛失や長い待ち時間などの理由ではその悪名が高かったのですが、2012年のロンドン・オリンピックに備えるため86億ドル(八千六百億円)の巨費を投じて第五ターミナルを建設、3月27日にオープンしました。

この第五ターミナルは、ポンピドーセンター等数々の著名な建築を手がけたイギリス人建築家リチャード・ロジャース氏(Richard Rogers)の設計で、176メートルもの幅をもつ白い鋼鉄製のアーチ式の斬新な屋根で有名です。この広大な屋根に覆われた広いスペースをフル活用して乗客が快適にチェックインや買い物、休息、移動ができるようになったのです。

北京空港

そして北京。こちらは今夏のオリンピックに対応するため、ロジャース氏ともかつてチームを組んだことのあるイギリス建築家ノーマン・フォスター氏の手によって、ヒースロー空港の5つのターミナルを束ねたよりも大きな、これまたアーチ式の屋根を持つ第三ターミナルを36億ドルの巨費を投じてオープンしています。

Almost 2 miles(3.2km) from end to end, Terminal Three is the largest building in the world, bigger than all five Heathrow terminals put together.

これにより、北京空港はそれまで32百万人の処理能力に対して52百万人の乗降客だった状況を解消、82百万人の処理能力、航空機は年間242千機から500千機の発着が可能になりました。この年末には北京空港ロンドンを抜いて世界第二の空港にのしあがると見込まれています。

【大競争時代の空港】

この2つの空港を見ていると、国営であれ民営であれ、オリンピックという国際的イベントをいかに最大限に活用しているかがわかります。さらにこの10年余りの経済のグローバリゼーションの大波の中で、航空機による移動も大幅に増え、人とマネーを呼び込むためには巨大空港の存在がますます重要になってきていることを実感させます。

ひるがえってニッポン。地方自治体同士の張り合いで乱立する弱小な地方空港の乱立と空港への外資参入も頑なに拒否する国土交通省の旧態依然たる航空行政が日本の空港事情を世界の孤児に貶めようとしています。かろうじて成田空港が35百万人の旅客数で世界23位(2006年)。関西空港は24時間稼動とは名ばかりで真夜中から明け方までは実際の航空機発着は皆無との話も聞きます。使用料が高く、接続も悪い空港に海外の航空会社がそっぽを向くのは当然でしょう。

これも、英国エコノミスト誌が揶揄する「JAPAiN」の象徴的な例なのかもしれません。ニッポン政府は、未来の展望も国策もなく、このままどこに国民を連れて行こうとしているのでしょうか。

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タックス・ヘイブンを巡るロンドンと金持ちの選択?その2
【タイム誌への投稿】

2月18日号のタイム誌の記事"Take the Money and Run"について2月20日に投稿しましたので公開します。

ロンドンの金持ちとタックスヘイブン

The decision of the British Treasury to get tough on tax breaks is not crazy, but smart and balanced. Because they are sure that money and foreigners are not the only resources to bring prosperity and development to London as well as England where a mix of dignified tradition and forward-looking openness to the rest of the world with advanced democracy has been fascinating big cash and celebrity from the parvenu Russia, the Gulf states and Asia recently. So they balanced the people of England with those from abroad, reacting to the criticism on tax breaks for foreigners from inside the country.

In fact, the other major tax havens as Switzerland, Isle of Man, Luxembourg, Singapore and Hong Kong have been attracting more overseas big money than London with the direct tax break incentives such as the secrecy of privacy in Switzerland rather than with the various charms of the country by itself.


【拙訳】

英国財務省による税制優遇措置の厳格化の決定は、気が狂ったというよりバランスの取れた賢い選択だ。なぜなら、マネーと外国人だけが英国そしてロンドンに繁栄と発展をもたらす唯一のリソースではないことを英国自身が確信しているからだ。英国は進んだ民主主義と併せて威厳のある伝統と世界に対して先を見据えた開放性を持ち合わせており、それによって成金ロシアや湾岸諸国やアジアの巨額のキャッシュや富豪たちを引きつけているのだ。だから彼らは外国人への税制優遇に対する国内からの批判に応えて、自国民と外国人の間のバランスを取ったのだ。

実際、スイス、マン島、ルクセンブルク、シンガポール、香港といった他の主要タックスヘイブンは自国が持つ様々な魅力というよりもスイスの秘密主義などといった直接的な税制優遇のインセンティブによってロンドンよりも海外から巨額のマネーを引きつけてきているのだ。


【追記】

2月23日にタイム誌から「採用するかもよ」という例のメールが届きました。それにしても昨年は一度も取り上げてもらえず。よ?し、今年はがんばるぞ!

Dear Reader:

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. If your comments are selected for the Inbox column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.

TIME Letters


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テーマ:ロンドン - ジャンル:海外情報

タックス・ヘイブンを巡るロンドンと金持ちの選択
【世界のタックス・ヘイブン

皆さん、タックス・ヘイブンってご存知ですか?それは日本語では「租税回避地」と言い、税金が軽減もしくは免除される国や地域のことです。世界中の金持ちは自分たちのマネーに課税されるのを出来るだけ避けるためにオフショア・タックス・ヘイブンにマネーを移動し、時には自分たち自身も動き回るのです。

例えば、それらタックス・ヘイブンとは、スイス、ケイマン諸島、ジャージィ島(英) 、バハマ諸島などなどですが、租税回避地として最近特に世界の金持ちに非常に好まれている場所があります。どこだかご存知ですか?

そう、イギリス、特にロンドンです。

ロンドンの金持ち外国人の怖れ】

ロンドンの金持ちとタックスヘイブン

2月18日号タイム誌で、「マネーを持って走れ」("Take the Money and Run")というタイトルで税制改正に怯えてイギリスに住む金持ち外人が他のオフショア・ヘイブンを求めて脱出を考えているという記事が目に留まりました。

Take the Money and Run. Spooked by a proposed tax change, Britain's foreign rich consider leaving for other offshore havens

彼らはnondomicileあるいはnondom(非居住者)と呼ばれ、英国に住む市民が最高40%の税金が課せられるのに対し、所得税以外は無税という恩恵に預かっているのです。これは外国人にとっては単なる避難地(haven)どころか、天国(heaven)と言えるでしょう。だからこそ、大勢の金持ち外国人がロシア、中近東、アジアなどからロンドンに集まってきているのです。

しかし、外国人への税優遇に対する批判の高まりから英国財務省は新たに18%の税率でのキャピタル・ゲイン・タックス、さらに7年以上英国に居住する外国人に対し年6万ドルの手数料を徴収すべく準備を進めているのです(おそらく2月末までには実施?)。

こんな措置が実施されればかなりの金持ち非居住者外国人は英国から脱出すると予想されます。財務省はその数を全体の115000人のうち、3000人程度と見積もっていますが、マーケット関係者はもっと多いと見ており、そうなれば何十億というマネーが流出して経済にも重大なインパクトありと言うのです。

Britain's wealth managers are more pessimistic, predicting that nondoms will leave in droves, taking billions out of the economy and affecting everything from property prices to spending on luxury goods.

【マネーを取るか、公平を取るか】

ドバイ

世界の金持ちのオフショア資産は凡そ7兆ドル(日本円で約740兆円)。そのうち、スイスに27%、マン島・ダブリン等に14%、ルクセンブルクに13%、カリビアン諸島に13%、シンガポール・香港にそれぞれ5%と4%が集まっているのです(ボストン・コンサルティング・グループによる推計)

この資金を如何に多く集めるかを巡ってタックス・ヘブン同士の熾烈なマネー誘致合戦が繰り広げられており、中でも個人の機密保持を売り物にするスイスや新興勢力のドバイ、シンガポールなどが様々な金持ち優遇措置を競っているのです。

そんな中で何故イギリスは、いったん集まった金持ちに対する課税を強化してみすみすチャンスを逃そうとしているのでしょうか。公平を期すための勇気ある措置なのか、それとも気が狂ったのか・・・・

With so many countries doing all they can to lure the rich, Britain's decision to get tough on tax breaks seems either brave or crazy.

グローバリゼーションがもたらす巨額のマネー争奪戦。モラルを取るか、マネーを取るか、英国の選択にしばし注目しましょう。

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テーマ:ロンドン - ジャンル:海外情報

Ny・long・kongって何?
【三都物語】

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1月28日号タイム誌のカバーストーリーは「A Tale of Three Cities」でした。そして表紙に掲載されているのはNy・lon・kongの文字。それって何でしょう?

Ny・lon・kong -----それはグローバル経済を先導する三つの都市を合成した都市名です。すなわち、ニューヨークシティ、ロンドン、香港の合成語。その三つの都市が苦難の末に勝ち取った成功と挑戦の鍵について特集しています。

Ny・lon・kong ----How three connected cities drive the global economy. The keys to their success ---and the challenges they now face

【ダボス会議】

1月23日からスイスのダボスで始まった世界経済フォーラムは、27日に閉幕した。「今年はそこそこの景気(Goldilocks Economy)が続く年」という楽観ムードが覆っていた昨年とは打って変わって、今年のダボスはサブプライム問題以後変調を来たす世界経済の先行きや地球温暖化防止に向けた目標設定などを巡って白熱した議論が繰り広げられたようです。

そのダボス会議の焦点はグローバリゼーションの現在と未来ですが、その中心となって繁栄しているのが、70年代から80年代にかけてはそれぞれ固有の事情でどん底に喘いでいた三つの都市、すなわち、ニューヨーク、ロンドン、香港だというのがタイム誌の主張です。

ニューヨークは1975年にほとんど破産状態となり、年間2千人もの殺人が起こる犯罪都市でした。ロンドンは、1981年左派グループによる暴動などで荒廃していましたし、香港も中国返還を控えて経済が動揺、株や不動産が暴落していたのです。

【変化の源?マネー】

NYLONGKONG

そんな三都市がその経済力をサービス産業に集中し、マネーの大循環で世界経済を牽引する大変貌を遂げたのです。19世紀を帝国の時代、20世紀を戦争の時代とするなら、21世紀は金融の世紀となるであろう、その中心がNy・lon・kong なのです。

The network of international trading and personal contacts that shape New York, London and Hong Kong facilitate their key industry. If the 19th century was the age of empire and the 20th one of war, so the 21st century, to date, is an age of finance.

その三都市の魅力はもちろんマネーだけでなく、ニューヨークは文化、ロンドンは世界のセレブを惹きつけるコスモポリタンな伝統、そして香港は中国という大後背地を持つグレーターチャイナとしての玄関口の機能にあるのです。

【グローバリゼーションの教訓】

フラット化する世界の中で急速に富を集め、繁栄のコアとなっているNy・lon・kong。その都市の繁栄は、国家の潜在的な競争力に支えられているとも考えられます。2007年の世界50カ国・地域の潜在競争力ランキングで1位を維持する圧倒的な競争力を誇る香港、3位の米国、4位のイギリス。(日本経済研究センターの調査)

この順位で日本は13位に甘んじています。グローバリゼーションを牽引し、世界の富を集めるには人々の欲望を次々と満たしてくれるマネーの奔流を作り出せるパワーが必要です。果たして、日本はそのマネーを集めてNy・lon・kongのような都市を目指すべきなのでしょうか。それとも独自の伝統文化を護り、静かに自らのモラルを世界に説いていくべきなのでしょうか。Ny・lon・kongが日本に突きつける課題はなかなか重たいものがありますね。

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成金ロシア人の行き先
【波紋広がるロシア元スパイ殺害事件】

ロシア人のアレクサンドル・リトビネンコ氏殺害事件は放射線物質の痕跡を追跡していく過程でドイツをはじめ欧州各地にまで波紋が広がっている。

リトビネンコ氏

ロシア情報機関員アレクサンドル・リトビネンコ氏殺害事件で、ドイツ警察当局は11日、同氏が倒れる直前に接触があったロシア人実業家ドミトリー・コフトン氏のハンブルクに住む前妻と彼女の1歳と3歳の子供、さらに前妻のボーイフレンドから放射線物質ポロニウム210の痕跡が検出されたことを明らかにした。
 独メディアによれば、見つかったのは前妻の上着などからで、ポロニウムが体内に入ったかどうかなどを病院で詳しく検査している。(12月12日付時事通信)


事件の顛末はさておき、海外のロシア人のもうひとつの顔が浮かび上がってきた。

ロンドンロシア人たち】

共産主義の権化だった旧ソ連が崩壊して出来たロシアは今もともとの資本主義国顔負けの成金が多数輩出して海外でもいたるところで活躍していると聞く。もちろん石油等の天然資源を豊富に持つロシア経済の復権がその背景にあるのはご存知のとおりだ。

ロンドン

そのロシアがここ数週間リトビネンコ氏殺害事件で注目を浴びているが、その舞台となったロンドンに大勢の成金ロシア人が出没していることはあまり知られていない。

12月11日号のタイム誌ロンドンからの便り」("Letter From London")のコーナーで「ロシア人たちの企み」("What are all those Russians up to?")と題して今回の元スパイ毒殺事件がロンドンの不可解な移民エリート達に対する懸念を広げていると伝えている。

What are all those Russians up to?

The poisoning of an ex-spy sows doubt about the city's mysterious emigre elite

タイム誌によると、ロンドンには多くのロシア人の大物、成金が住んでいるという。もちろん、その理由といえばロンドンほど安全で商売がしやすく、モスクワからも近い場所はないと彼らが考えているからだ。

そんなロシア人たちのロンドン人気を反映するように、ロンドンにはロシア語の新聞が4紙もあり、ロシア語の週刊誌もある。それだけではない。今年になってロシア人達はあの不動産会社のサビル(Savills)から9百万ドル以上もするセントラル・ロンドンの不動産の4分の一を買ったのだ。

Russians bought a quarter of the central-London properties priced above $9 million that the firm Savills sold this year

【国際都市の懐の深さ】

世界の金と情報が集まる国際都市ロンドン。アメリカの銀行家、アラブの王族、香港の資本家と国境を問わずマネーを求めて世界中からあらゆる人種が集まってくる。飛ぶ鳥を落とすような勢いがあるBRICSの一角ロシアの成金がロンドンに照準を定めてくるのは当然と言えば当然の話だ。

それにしても意外な事件から意外なロンドンの顔、懐の深さが見えた。果たして、国際都市といわれる東京にここまでのふところの深さがあるだろうか?

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