TIME誌で知る世界の時事ニュース
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パイロットが逃げていく?ー米国航空事情
パイロットの決断】

US AIR

アメリカの国内線から熟練パイロットがいなくなる?そんな心配が出てきているという記事が4月21日号タイム誌「国際線出発」("International Departures")というタイトルで掲載されているのが目に留まりました。その記事によると、米国国内線の労働環境に幻滅したパイロットたちが海外に逃げ出して、米国の航空会社はパイロットの奪い合いになっているとのこと。

International Departures ---- Disillusioned U.S. airline pilots are heading overseas, leaving domestic carriers scrambling

いったい、アメリカの航空界で何が起きているのでしょうか?

パイロットの大量のシフト】

エミレーツ航空

端的に言うと、アメリカの航空会社からアラブやアジアの航空会社へ大量にアメリカ人パイロットが移籍しているということです。そのひとつがドバイエミレーツ航空なんと、過去4年間に100人近いアメリカのパイロットがエミレーツ航空に移ったとのこと。これは凄い。

なぜか?もちろん待遇の違いです。合併や経営統合を繰り返し、従業員は疲弊、トップは次々と変わる米国の航空会社に比べ、エミレーツ航空等の航空会社は給与はいいし、休暇もたくさん、送り迎えはリムジン、さらには経験あるパイロットとして尊敬も集める。こんなに違えば誰でも移りたくなるでしょう。こんな好条件でアメリカのパイロットを雇おうとしているのはインド中国も同じです。

【航空界のグローバリゼーション】

米国は民間も軍事も含めて、もともと世界のパイロットの養成場所として有名なのですが、教える側のパイロット経験者も教わる側の若手パイロット候補者も人手不足になっているのです。

The U.S. is still the world's pilot training ground, but the pool of young talent is drying up.

では今年12千人と見込まれる米国の新規パイロット需要はどうやってさばいていくのでしょうか?しわ寄せは、大手航空会社からパイロットを引き抜かれるPinnacleComairといった地方航空会社に行こうとしています。

地方航空会社は窮余の策として、航空学校の新規卒業者の手当ての増額や経験のあるパイロットのフライト時間の削減で調整しようとしているのです。あるいは現有パイロットの超過労働につながって空の安全に支障が出る可能性も出てきます。

グローバリゼーションの進展がもたらした思わぬ事態に米国の航空業界は四苦八苦しているのです。果たして、日本の航空業界に波紋が広がることはないでしょうか。日航さん、全日空さん、よろしく頼みますね。

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パイロット不足と米国の空の安全
【タイム誌への投稿】

4月21日号タイム誌の記事“International Departures”について4月22日に投稿しましたので公開します。

Mobilization of U.S.airline pilots from domestic carriers to overseas is one of the unexpected results from globalization. It is also similar to the Japanese star baseball players leaving Japan for the Major leagues in the U.S. seeking for much higher pay. In a global economy, money speaks everywhere and with good reason.

The trouble is that if the outflow of experienced pilots from the U.S. should be a major trend, many American passengers may have some uneasiness about the safety of domestic flights. To get rid of their anxieties, U.S. airlines as well as the aviation authorities should try hard to recover the social and mental status of domestic pilots by raising their salaries and reducing their stress and fatigue caused by overwork. Otherwise, U.S.carriers would become the least safe vehicles in the world.


【拙訳】

米国パイロット達が国内の航空会社から海外に出て行くのは、グローバリゼーションがもたらす予期せぬ結果のひとつだ。それは日本のスター的な野球選手が高給を求めて米国のメジャーリーグに移籍すべく日本を離れていくのに似ている。グローバルな経済のもとでは、どこでもマネーがものを言うのも当然なのだ。

問題は、米国から経験を積んだパイロットが流出することが大きな流れになって、多くのアメリカの乗客たちが国内のフライトの安全性に懸念を持つことだろう。そういった不安を取り除くためには、米国航空会社と航空当局はパイロットの給与を上げて、過労から来るストレスや疲れを減らすことで彼らの社会的地位や精神状態を回復するよう全力で取り組むべきだ。そうしなければ、米国航空会社は世界で最も危険な乗り物になるだろう。


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