TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
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欧米を凌駕するアジアの科学?その2
【タイム誌への投稿】

10月30日号のタイム誌の記事「アジアの一大科学実験」("Asia's Great Science Experiment")について、11月6日に投稿しましたので投稿内容を公開します。

Asia’s Great Science Experiment Page 46  TIME, October 30, 2006

Your message is shocking for Americans and Europeans. Namely, Asian economies are not the only clear and future threat to the advanced ones as U.S. and Europe that they have long believed, but Science is another clear and present danger to them.

However, Asians, especially the Chinese, the Indians and the Koreans, should also stay sharp because the loose ethical codes and hasty ambitions by scientists and engineers in those countries could lead to a serious disaster in the future like the environment hazards spreading all across Asia now.

What is needed now for both Europeans and Asians is not to remain on the sidelines with each other but to act together to benefit from this global science innovation.

≪拙訳≫

貴記事は欧米人にはショッキングだ。すなわち、自分達が長い間進んでいると信じていた米国や欧州経済にとっての未来の脅威はアジア経済だけだと考えていたのに、サイエンス今そこにある危機だということを示したからだ。

しかし、アジア人、特に中国人やインド人、韓国人も油断は禁物だ。なぜなら、それらの国の緩い倫理規範や科学者・技術者の性急な功名心が今アジア中を覆っている環境破壊と同様に未来に重大な問題を引き起こすかもしれないからだ。

欧米人とアジア人双方に今必要なのはお互いを傍観することではなくて、この全地球規模のサイエンス革命から果実を得るべくお互いに協力しあうことなのだ。


【追記】

先日の朝、いつものようにタイム誌のGloriaさんから「採用するかもよ」という例のメールが届きました。11月6日号で採用してもらったので、またしばらくは難しいかなあ?。

Dear Reader,

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. Should your comments be selected for the column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.


TIME Letters

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欧米を凌駕するアジアの科学
少し長くなりますので、最後までお付き合いくださいね。

【科学よ、お前もか!】

アジアからの変革の波は経済だけではなかった。サイエンスの世界でも欧米が脅威を感じるほどの変化の波がアジアに押し寄せているのだ。
061030TIMECover

10月30日号のタイム誌のカバーストーリー「アジアのサイエンス革命」("ASIA'S SCIENCE REVOLUTION")サイエンスの分野でもアジア人の才能と野心とマネーがアジアを変革の先進地にしようとしていると紹介している。

ASIA'S GREAT SCIENCE EXPERIMENT

A potent brew of talent, ambition and serious money are making the region a leader in innovation

アジアの記事というとHANNAH BEECH氏がよく出てくるのだが、アジア各地のタイム誌の特派員達との連携でよくアジアのサイエンスの実情を明らかにしており、欧米よ、このままで大丈夫か」といったニュアンスが感じられ読み応えのある記事に仕上がっている。

果たして、アジアのサイエンスはそれほど力をつけているのだろうか?

【経済力が後押し】

アジアの科学者

変革のには常にマネーが動いている。その震源地は中国、インド、韓国、そしてシンガポール

GDPに占めるR&D政府予算の規模(1995-2005年)は、米国、EU等は減少しているのに対し、中国では0.6%から1.3%と倍になっているのだ。GDP比での予算規模10傑には、イスラエル・スウェーデン・フィンランドに続き4位日本(3.15%)、6位韓国(2.64%)とアジアは二カ国だけだが、中国が猛チャージをかけてきているのだ。

To foster their dreams, Asian nations have dramatically increased their government spending.

もうひとつのパワー、それは人財だ。毎年大量の学生を欧米の大学に進学させている中国やインドでは、かつては研究施設も貧弱で研究成果も出しにくい母国に帰国する卒業生は少なかったが、急速な経済成長と政府の後押しで続々と立派な研究施設と帰国する研究者への待遇改善が進み、今では中国一国だけでも20万人近い科学関係の学位を取得した人たちが戻ってきて素晴らしい研究成果をあげつつあるのだ。

かつては日本でも頭脳流出が問題視されたことがあったが、今では前述のような「海がめ」研究者("Sea turtles" 一旦大海に出た亀が戻ってくる喩え。なかなかうまい言い方です)の頭脳奪還によりますます中国等のアジア諸国ではサイエンス勃興のエネルギーになっているのだ。

This brain gain has accelerated China's science drive.

【倫理規範と功へのあせり】

しかし、手放しで喜ぶのは早すぎる。欧米の大学で学位を取得した研究者が母国に帰ってくる理由の中には、中国やインド等では生命倫理の規範が緩く研究がしやすいこともあるとタイム誌は伝えている。これは由々しき問題だ。

そしてもうひとつは功を焦るあまりの研究者達のフライングだ。まだ記憶に新しいところでは今年1月の韓国ソウル大学の黄禹錫教授による胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の研究ねつ造事件だ。そこには儒教思想の影響か年配を敬うあまり大教授にはものも言えない風土などアジア人特有の問題も潜んでいる。

アジア各国で深刻化する環境問題と同様に、マネーがある今だからこそ10年?20年先を見据えた研究開発のあり方、サイエンスの健全な発展をアジア人同士が連携してしっかり考えていくべきではないだろうか。そのために日本が果たせる分野は多いと思うがどうだろうか?

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