TIME誌で知る世界の時事ニュース
「TIME誌で知る世界の時事ニュース」は週に一度は世界的な週間雑誌TIME誌を題材にした記事を博多っ子の独自の視点で解説・提供するニュース発信ブログです。TIME誌へ投稿もします。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
本物の食糧危機?アジアの米騒動
アジアの米騒動】

ここ数週間、テレビや新聞でアジアの米争奪に関するニュースを頻繁に目にするようになった。つい先日も、主食の米を輸入に頼るフィリピンで市民による米騒動が頻発しているとの報道がNHKニュースで取り上げていた。一体、アジアの米に何が起こっているのだろうか?

バングラデシュ

折りしも、4月21日付タイム誌「穀物がない、大きな痛み」("No Grain, Big Pain", page 32, TIME dated on April 21, 2008)というタイトルで、インドからフィリピンまでアジアの主要作物の価格が急騰、食料不足の広がりに懸念が高まっているとの記事が掲載されていた。

No Grain, Big Pain ---- From India to the Philippines, the price of Asia's most vital food is skyrocketing, setting off worries of widespread shortages. What's causing Asia's rice crisis, and will it get worse?

【単純ではない背景】

インドネシア・ジャワ島の米生産者

アジア、特にタイ、ベトナム、バングラデシュ、インド、パキスタン、そしてフィリピンといった国々にとって米は主食であり、食文化そのものだ。日本も例外ではない。そんな貴重な食べ物だからこそ、自国への最近の穀物価格急騰の影響を少しでも和らげようと各々がなりふりかまわぬ対策を講じ始めたのだ。そのひとつが米輸出国の輸出規制。世界第二の米輸出国ベトナムやタイ、そして中国までもが米の輸出を大幅に規制し始めたのだ。そういった動きが米を輸入に頼るフィリピンやバングラデシュを直撃した。

しかし、米不足の原因はそれほど単純ではない。需要サイドでは中国やインドといった急速な経済発展を遂げ豊かになりつつある国々の米需要の増加、供給サイドでは旱魃などの気候変動、ベトナムでのペストの流行、さらにはエタノール燃料への穀物使用などが米価格高騰の背景にある。そして、さらにはグローバリゼーションの進展によってインドなどかつては米取引を統制していた国が自由な価格による国際市場での米取引を認め、高値で買ってくれる相手に売るようになっていることも価格高騰、米不足の背景になっているのだ。

【行き過ぎる人間活動】

ここ数年、人間活動が地球という閉ざされた環境の中ですでに「行き過ぎてしまった」のではないかという懸念を強くしている。希望を失ってはいけないが、1972年に発表されたローマクラブの「成長の限界」から既に36年。当時そしてその後修正された資源や人口、食料、環境といったシュミレーションがひとつひとつ現実のものになってきているのだ。7月の洞爺湖サミットで協議される地球温暖化、気候変動問題しかり、枯渇する石油や希少金属の価格高騰、経済のグローバル化で顕在化しつつある各地の水不足、止まらない発展途上国の人口爆発などなど。それぞれの要因が複雑に絡み合い、世界を大きく揺さぶっているのだ。

アジアの米不足もそのひとつであり、この米を巡るゼロサムゲームを一挙に解決する特効薬は存在しない。それどころか世界の他の地域に比べればまだ経済発展に成功しているアジアの食糧危機が深刻化すれば、アフリカなどの最貧国への悪影響も懸念されるだろう。さらには、世界中で食物をめぐる政情不安、国同士の対立に波及するのも時間の問題だろう。

7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)で食料難と地球温暖化の関係が「深刻な問題」として議題に取り上げられる見通しとなったとの報道があったが、日本をはじめとする先進各国が国際機関と協調して、米や穀物の価格高騰への迅速な対応を協議、実行すべきだ。

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

スポンサーサイト

テーマ:アジア - ジャンル:海外情報

カジノがアジアにもたらす光と影?その2
【タイム誌への投稿】

11月01日号のタイム誌の記事"Asia's Growing Gambling Addiction"について11月10日に投稿しましたので公開します。

Asia’s Growing Gambling Addition TIME, November 1, 2007

To my astonishment, so many new casinos are planning to build in Asian countries such as Vietnam, Singapore, and the Philippines in such a short period of time to catch up with the economic success of Macau, the recent Asian Mecca of casino resort. As your article pointed out precisely, Asia, especially China, seems to be more vulnerable to gambling than Europe and other regions because of its cultural and mental generosity to gambling. In order to avoid the problems caused by such weakness in those new casino resorts, central and provincial governments in those areas should in advance take strong leadership to build firm social infrastructure such as the places to teach residents some discipline, to give them some counseling and to keep social orders and public security. Among other places, Singapore seems to me the best place to have new casino resorts in that sense, although it is regarded as a dull place to enjoy now since the society is somewhat too rigid and strict.

≪拙訳≫

僕が驚いたのは、カジノ・リゾートのメッカとも言うべきマカオでの経済的成功にあやかって、ベトナムやシンガポールやフィリピンといったアジア各国にそんなに短期間でそんなに新しいカジノの建設が計画されているということでした。貴記事が明確に指摘しておられるように、アジア、特に中国はギャンブルに対する文化的・精神的寛大さからヨーロッパや他の地域と比べてギャンブルに弱いと思われます。新しいカジノ・リゾートで、そういった弱さから出てくる問題を避けるためには、それらの地域の中央政府や地方政府が前もって強力なリーダーシップを取って、確固たる社会的インフラを整備すること、すなわち、住民に対する規律教育、カウンセリング指導の場所や社会的規律や秩序の維持といったことです。そういった意味では数ある候補地の中では、シンガポールが、現在は堅苦しくて厳しい社会のために遊ぶには楽しくないと思われていますが、これからは新しいカジノ・リゾートとしては最適の場所だと思います。


★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

【追記】

11月14日にタイム誌から「採用するかもよ」という例のメールが届きました。それにしても今年になってからは未だ一度も採用してもらってません。しばらくは難しいのかなあ?

Dear Reader:

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. If your comments are selected for the Inbox column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.

TIME Letters

テーマ:マカオ - ジャンル:海外情報

カジノがアジアにもたらす光と影
カジノの魅力】

マカオのカジノ

皆さんはカジノで遊んだことはありますか?そこはルーレットやスロットルマシンが整然と並ぶ、言わば一大賭博場です。世界的に有名なカジノは、アメリカではラスベガスアトランティクシティ、ヨーロッパではモンテカルロアジアでは香港マカオがありますが、イスラム教国や日本では公認されていません。

今、そのカジノマカオでの成功をきっかけにして、アジア各地で計画・新設されようとしているのをご存知ですか?

【数年後にアジア各地にブーム到来?】

11月12日号タイム誌「アジアに広まるギャンブル中毒」("Asia's Growing Gamble Addiction")と題して、カジノ建設ブームに沸くアジアでこれからギャンブルが深刻な問題をもたらすと警鐘を鳴らしています。

High Stakes - Thanks to a mutibillion-dollar boom in casino construction, Asia may soon have a serious gambling problem

そのブームのきっかけはマカオマカオ市が5年前にカジノの規制を緩めてからカジノが27に倍増、それにともなって観光と投資ブームが起きマカオ経済は見事に復活を遂げたのです。

Macau's success has inspired other Asian cities and countries to allow new casinos.

それを見たアジア各国はマカオに続けとばかりカジノの計画・建設に次々と名乗りを挙げているのです。ホーチミン市に2009年に40億ドルで一大カジノリゾート建設を予定しているベトナム、すでに建設地を確保しているシンガポール、マニラ湾沿いに4万人を雇用する100エーカーものカジノを計画するフィリピンから、中国人を呼び込もうと「草原のラスベガス」("Las Vegas of the steppe")を計画するカザフスタンなど数年後にはアジア各地に第二・第三のマカオが出現する勢いです。そんな動きに触発されてか、タイ日本でもカジノ合法化への動きが見られます。

【カジノがもたらす光と影】

しかし、経済の起爆剤としてのギャンブル場には影の部分があることも忘れてはいけない側面です。

マカオでも短期間しかいない観光客はいいものの、カジノ近辺の住人がギャンブル中毒になって様々な社会問題を引き起こしているのです。

タイム誌によれば、中国人は白人よりも50%以上ギャンブル中毒になりやすいといったクイーンズランド大学の精神科医の論文等を引き合いに出し、アジア人はギャンブル常習になりやすいと指摘しています。

その背景として、仏教や道教といったアジアの宗教ではギャンブルをそれほど厳しく戒めるのではなく、 「公認されたお金儲けのための手段」だとみなされているとの説を紹介しています。

Eastern religions such as buddhism and Taoism don't strictly condemn gambling. "Gambling is seen as a morally recognized way of making money." says Peter Ong, chairman of the Tung Wah Group of Hospitals.

また、ギャンブル中毒は病気ではなく、文化的なものだとして、カウンセリング療法を受けるのは恥ずかしいと考える傾向も強いとのこと。

カジノがもたらす光と影。日本ではカジノはなくても大衆の射幸心を煽る競艇やパチンコは社会的に半ば公認されていますが、アジア各国もカジノの導入にあたってはその社会的影響に十分配慮した対策を事前に練ってから導入する必要がありそうです。みなさんはどうお考えですか?

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

テーマ:マカオ - ジャンル:海外情報

60年目の真実?アジアの英雄達
かなり長くなりました。我慢して読んで下さいね。

【タイムの選んだ60人】

061113TIMECover


11月13日号のタイム誌「アジアのヒーロー達の60年」("60 YEARS OF ASIAN HEROES")と題した60周年記念特集で、アジアにあって時代を創った人たちを掲載していてなかなか面白い。

ヒーロー達のカテゴリーは、国家建設、芸術と思想、ビジネスリーダー、アスリーツと冒険家、インスピレーション(精神的指導者か?)の五つ。

日本人が多いのはどのカテゴリーだと思いますか?

【多彩な顔のヒーロー達】

どのカテゴリーが少ないか、消去法で考えれば答えは導けるかもしれません。

アジアのヒーロー達


そう、ビジネスリーダーがトップで8人、次が芸術と思想で4人、そしてアスリーツと冒険家に1人。戦争の荒廃と植民地の呪縛からアジアを導いた政治的指導者と人々にインスピレーションを与える精神的指導者は皆無でした。それではその一部をご紹介しましょう。

※上記のタイム誌のイラストの中にも日本人は皆無!!! 悔しい!

先ずはビジネスリーダー。その顔ぶれは、アジア経済の奇跡を牽引したリーダー達はソニーの創業者盛田&井深コンビからヤフー創設に関わった台湾人のスタンフォード大学学生実業家ジェリー・ヤン(Jerry Yang)、 そして貧者への融資を可能にしたマイクロクレジット制度を軸にグラミン銀行を創設、その功績を認められてノーベル賞を受賞したバングラデシュのムハマド・ユヌス氏まで多彩だ。

日本人はソニーの盛田&井深コンビ、チキンラーメンからカップヌードルまで即席めんのグローバルスタンダードを創った日清食品会長安藤百福氏、世界のファッション界にアジアを認めさせたHanae Mori、Yohji Yamamoto、Issey Miyake 、Rei Kawakuboの四人、任天堂のビデオゲームのグルと崇められる宮本茂だ。

ビジネスの世界ではタイム誌は香港の李嘉誠氏をトップに持ってきているものの、日本がアジアをリードしていると言っていいだろう。

次に芸術&思想家。この世界でも日本人は頑張っている。トップは黒澤明。誰もが認めるところだろう。次に宮崎駿。建築の丹下健三に、指揮者の小澤征爾が続く。

アスリートと冒険家の中にひとり、王監督が入っているのにホッとした。ブルース・リー以外はインドのクリケット選手Sachin Tendulkarや中国の伝説の体操選手Li Ningなど僕にはなじみの薄い人が多いからだ。

そして政治的指導者日本人は皆無。そうだろう、インドのガンジーとネルー、フィリピンのアキノ元大統領、中国の小平、日本占領を指揮したマッカーサー、ベトナムのボー・グエン・ザップ将軍など歴史に残るような人物ばかり掲載されているからだ。日本にはこの60年、そんな指導者は輩出していない(!?)。

精神的指導者も同じ。ダライ・ラマからプミポン国王マザー・テレサなど世界的な人物ばかりが目立つ。本当にアジアのヒーロー達の多彩さに改めて驚く。

ヒーローが示す"この国のかたち"】

タイム誌がどういう基準でヒーロー達を選んでいるのか記事の中では詳しく明らかにしていないので不満を抱く人もあろう。

でもその判断基準に目をつぶって、このヒーロー達から何が見えてくるかを考えてみるのも面白い。そう、日本に限ってもヒーロー達から「この国のかたち」のようなものが見えてくる。
圧倒的に日本がこの60年間に自らのアイデンティティを確立し、アジアをリードしてきたのはヒーロー達が多く輩出しているビジネスと芸術の分野なのだ。特にマンガやアニメ、ゲームの世界で日本的精神を世界に広めているところは頼もしい。

反対に国家やアジアの政治をリードしてきた指導者には乏しく、精神的指導者にもなりえていない。スポーツ面でもまだまだだ。しかし今の若い人たちにはその実力や可能性のある人が出てきつつあるのではないだろうか。

ヒーロー達が示してくれたこの国のかたちを踏まえて、これから強みを伸ばし、弱みを補強する。明確な座標軸を国家も個人も持っていけばこれからの日本の未来は明るい。みなさんはどうおもわれますか?

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

テーマ:国際ニュース - ジャンル:ニュース

欧米を凌駕するアジアの科学?その2
【タイム誌への投稿】

10月30日号のタイム誌の記事「アジアの一大科学実験」("Asia's Great Science Experiment")について、11月6日に投稿しましたので投稿内容を公開します。

Asia’s Great Science Experiment Page 46  TIME, October 30, 2006

Your message is shocking for Americans and Europeans. Namely, Asian economies are not the only clear and future threat to the advanced ones as U.S. and Europe that they have long believed, but Science is another clear and present danger to them.

However, Asians, especially the Chinese, the Indians and the Koreans, should also stay sharp because the loose ethical codes and hasty ambitions by scientists and engineers in those countries could lead to a serious disaster in the future like the environment hazards spreading all across Asia now.

What is needed now for both Europeans and Asians is not to remain on the sidelines with each other but to act together to benefit from this global science innovation.

≪拙訳≫

貴記事は欧米人にはショッキングだ。すなわち、自分達が長い間進んでいると信じていた米国や欧州経済にとっての未来の脅威はアジア経済だけだと考えていたのに、サイエンス今そこにある危機だということを示したからだ。

しかし、アジア人、特に中国人やインド人、韓国人も油断は禁物だ。なぜなら、それらの国の緩い倫理規範や科学者・技術者の性急な功名心が今アジア中を覆っている環境破壊と同様に未来に重大な問題を引き起こすかもしれないからだ。

欧米人とアジア人双方に今必要なのはお互いを傍観することではなくて、この全地球規模のサイエンス革命から果実を得るべくお互いに協力しあうことなのだ。


【追記】

先日の朝、いつものようにタイム誌のGloriaさんから「採用するかもよ」という例のメールが届きました。11月6日号で採用してもらったので、またしばらくは難しいかなあ?。

Dear Reader,

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. Should your comments be selected for the column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.


TIME Letters

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

欧米を凌駕するアジアの科学
少し長くなりますので、最後までお付き合いくださいね。

【科学よ、お前もか!】

アジアからの変革の波は経済だけではなかった。サイエンスの世界でも欧米が脅威を感じるほどの変化の波がアジアに押し寄せているのだ。
061030TIMECover

10月30日号のタイム誌のカバーストーリー「アジアのサイエンス革命」("ASIA'S SCIENCE REVOLUTION")サイエンスの分野でもアジア人の才能と野心とマネーがアジアを変革の先進地にしようとしていると紹介している。

ASIA'S GREAT SCIENCE EXPERIMENT

A potent brew of talent, ambition and serious money are making the region a leader in innovation

アジアの記事というとHANNAH BEECH氏がよく出てくるのだが、アジア各地のタイム誌の特派員達との連携でよくアジアのサイエンスの実情を明らかにしており、欧米よ、このままで大丈夫か」といったニュアンスが感じられ読み応えのある記事に仕上がっている。

果たして、アジアのサイエンスはそれほど力をつけているのだろうか?

【経済力が後押し】

アジアの科学者

変革のには常にマネーが動いている。その震源地は中国、インド、韓国、そしてシンガポール

GDPに占めるR&D政府予算の規模(1995-2005年)は、米国、EU等は減少しているのに対し、中国では0.6%から1.3%と倍になっているのだ。GDP比での予算規模10傑には、イスラエル・スウェーデン・フィンランドに続き4位日本(3.15%)、6位韓国(2.64%)とアジアは二カ国だけだが、中国が猛チャージをかけてきているのだ。

To foster their dreams, Asian nations have dramatically increased their government spending.

もうひとつのパワー、それは人財だ。毎年大量の学生を欧米の大学に進学させている中国やインドでは、かつては研究施設も貧弱で研究成果も出しにくい母国に帰国する卒業生は少なかったが、急速な経済成長と政府の後押しで続々と立派な研究施設と帰国する研究者への待遇改善が進み、今では中国一国だけでも20万人近い科学関係の学位を取得した人たちが戻ってきて素晴らしい研究成果をあげつつあるのだ。

かつては日本でも頭脳流出が問題視されたことがあったが、今では前述のような「海がめ」研究者("Sea turtles" 一旦大海に出た亀が戻ってくる喩え。なかなかうまい言い方です)の頭脳奪還によりますます中国等のアジア諸国ではサイエンス勃興のエネルギーになっているのだ。

This brain gain has accelerated China's science drive.

【倫理規範と功へのあせり】

しかし、手放しで喜ぶのは早すぎる。欧米の大学で学位を取得した研究者が母国に帰ってくる理由の中には、中国やインド等では生命倫理の規範が緩く研究がしやすいこともあるとタイム誌は伝えている。これは由々しき問題だ。

そしてもうひとつは功を焦るあまりの研究者達のフライングだ。まだ記憶に新しいところでは今年1月の韓国ソウル大学の黄禹錫教授による胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の研究ねつ造事件だ。そこには儒教思想の影響か年配を敬うあまり大教授にはものも言えない風土などアジア人特有の問題も潜んでいる。

アジア各国で深刻化する環境問題と同様に、マネーがある今だからこそ10年?20年先を見据えた研究開発のあり方、サイエンスの健全な発展をアジア人同士が連携してしっかり考えていくべきではないだろうか。そのために日本が果たせる分野は多いと思うがどうだろうか?

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking
深刻化するアジアの環境破壊?その2
【タイム誌への投稿】

10月9日号のタイム誌の記事タイム誌特別レポート「アジアの環境」("Asia's Environment")について、10月11日に投稿しましたので投稿内容を公開します。

Visions of Green Page 26  TIME, October 9, 2006
061009TIMECover

“This is a Déjà vu!”. I shouted to myself when I saw the pictures in your article of many bike commuters with masks to avoid heavy toxic at the street of Kanpur, India and a flood of junk trash floating on Jakarta river.

Yes, those are just the same as the scenes in Kitakyushu and other cities in the 60’s and 70’s when Japan became notorious as the archipelago of “Kogai”. I was one of the victims to inhale the choking smog very often at that time.

It is true that the more Asian people get higher income and feel inconvenienced by pollution, the more pressure the governments of those regions get to improve the staggering environment. But the time is running out to save it.

As one of the Japanese who experienced both rapid economic growth and Kogai proliferation decades ago, I am confident that Japan can contribute greatly to the improvement of the deteriorating environments all across Asia and urge Asian friends to further demand our helping hands without hesitation.


≪拙訳≫

カンプールの汚染

「これは以前見たことがある!」僕がそう叫んだのは、タイム誌の記事にある二つの写真、インドのカンプールのストリートで大気汚染を避けてマスクをして自転車を走らせる人々そしてジャカルタの川に流れる膨大な量のごみを見たときだった。

そう、これは60年代から70年代にかけて日本が公害列島として悪名を轟かせたときに北九州市や他の都市で見た光景そのものだ。僕もあのときいつも息が詰まるようなスモッグを吸っていた犠牲者だった。

もちろん、アジアの人々の所得が増え汚染に不快感を抱くようになればなるほど、その地域の政府への環境汚染への改善を促す圧力は大きくなっていく。しかし環境を救うための時間には限りがある。

数十年前にすでに急速な経済成長と公害の拡散両方を経験した日本人のひとりとして、自信を持って言えるのは日本はアジア全体で破壊が進む環境を改善するのに大いに貢献できるし、アジアの人たちには躊躇することなく、もっともっと日本に救いの手を差し伸べるよう要求してほしいということだ。


★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

【追記】

先日の朝、いつものようにタイム誌のGloriaさんから「採用するかもよ」という例のメールが届きました。7月31日号で採用してもらったので、しばらくは難しいかなあ?。でも今回は反応が早かったのでもしかしたら・・・・

Dear Reader,

Thank you for writing. We welcome timely, insightful reactions to material we have published, and we can assure you that your observations found an attentive audience among the editors. Should your comments be selected for the column, you will be notified in advance of publication. Again, our thanks for letting us hear from you. We hope that you will write again should you discover something of particular interest in the news or in our reporting of it.

Best wishes.


TIME Letters

テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース

深刻化するアジアの環境破壊
【いつか見た光景】

061009TIMECover

これはいつか見た光景ではないか?10月9日号のタイム誌アジアの環境に関する一連の特別レポートに掲載された写真を見て思わず絶句した。

※タイム誌特別レポート「アジアの環境」"Asia's Environment"

マスクを巻いて自転車に乗る人々、ゴミだらけの川、工場の煙突から立ち上る噴煙・・・・60年代から70年代に公害という名で日本列島を覆った光景だ。

80年代でさえ首都東京にも光化学スモッグ警報が煩雑に発令され、慌てて窓を閉めていたことを思い出す。

【広がる環境破壊

ここ数十年、アジアは急速な経済発展を遂げたものの、それによって支払った環境に対する代償もまたとてつもなく大きなものだった。アジアの環境はまさに瀕死の状態にあるのだ。

After decades of rapid economic growth, Asia's environment is at a tipping point.

Sea of Troubles

急成長を遂げるインドでも大気汚染のひどさで世界7位という汚名をつけられた都市カンプール(Kanpur)。

ジャカルタの川"Angke River"にはあらゆるゴミが捨てられヘドロと化している。

アジアの地図は、中国やインドなどの汚染都市の黒点とベトナムやインドネシアなどの森林破壊・砂漠化を示す赤や橙色の斑点に汚れ環境汚染という病が重症であることを示している。

一体解決の糸口はあるのだろうか?


【希望の灯を日本から】

救いはある。タイム誌が書いているように、人々は所得水準が向上して、たとえば1人当たりGDPが5千ドル以上になると、汚染や環境破壊に不快感を覚え政府にその改善を要求し始めるのだという。

"You have the phenomenon of people with higher incomes feeling inconvenienced by pollution and wanting the government to spend money to fix it", says Finamore.

かつてのロンドンでもロサンゼルスでも市民が大気汚染を止めたのだ。この日本の北九州でも多くの主婦が大気汚染のあまりのひどさに立ち上がったことが現在の環境都市としての再生の出発点だったのだ。

しかし、環境汚染を食い止めるための時間は限られている。経済成長による人々の目覚めを待てるのか、その前に汚染が進みどうしようもない状況に追い込まれるのか、選択するのはアジアの市民、そして率先して解決に努力しなければならないのは僕達日本だ。

アジアの人々はそれを待っている。

★最後まで読んでくれてありがとう。いい記事だと思われたら、ポチッとひと押しお願いします。
FC2 Blog Ranking

テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。